本や畳に、ダニのような虫が現れた。
これって何の虫?
どうやって対策したら良いの?
こういった悩みについて書いていきます。
久しぶりに本を開くと、小さな虫がいたことはありませんか?
「少し大きいけど、もしかしてダニ?」と考えた人もいるでしょう。
その虫の正体は、「チャタテムシ」と呼ばれる昆虫です。
環境次第では大量発生してしまい、とても不快な思いをすることも…。
そこでこの記事では、チャタテムシの生態と対策方法について解説していきます。
家の中に虫がウジャウジャいるなんて、考えただけで怖いわ。
チャタテムシってどんな虫?
チャタテムシという名前を初めて知った人も多いはず。
そこで、チャタテムシがどんな虫なのか、その生態や特徴について説明していきます。
ダニに間違えられやすい
チャタテムシは体長1~2mmと小さく、その小ささからダニに間違えられやすい虫です。
また、チャタテムシの身体が白色~淡い褐色なのに対し、ダニは乳白色のため、見た目の色も非常によく似ています。
チャタテムシとダニを見分ける方法は一つ。
「肉眼で見えるかどうか」です。
室内に最も生息するチリダニは、体長0.2~0.4mmで非常に小さく、肉眼で見ることはできません。
しかし、チャタテムシはダニより少し大きいため、はっきりと肉眼で見ることができます。
肉眼で見える場合は、チャタテムシである可能性が高いですよ。
古本で見かける虫は、目で見えているから、きっとチャタテムシね。
チャタテムシの名前の由来
チャタテムシ(茶立虫)という名前は、障子を掻く音がお茶をたてる音に似ていたことが由来です。
一匹ではわずかな音ですが、大量発生したときは、人の耳に届くほどの音になります。
素敵なネーミングセンスだけど、その状況を想像すると怖いわね。
ちなみに英語ではBooklouse(ブックラウス:本のシラミ)と呼ばれているよ。
本で見かけることが多いからだね。
薄暗くてジメジメした環境を好む
- 畳
- 障子
- 押し入れ
- 段ボール箱
- 本・本棚
- カビが生えている所
チャタテムシは、薄暗くて湿度の高い環境が大好物。
湿度75~90%の環境では、特に動きが活発になります。
例えば、畳・障子・押し入れ・段ボール箱・本・本棚・カビが生えている所は、湿気がこもりやすいため、チャタテムシが繁殖しやすくなっています。
日ごろから換気をするなど、湿気がこもらないように生活することが大切ですよ。
家の中は、湿気がこもりやすい場所が多いわね。
カビが大好物
チャタテムシは、主に人間のフケや垢、カビなどをエサとしますが、特にカビが大好物。
湿度の高い場所にある紙や乾燥食品にはカビが生えやすく、チャタテムシがカビを食べるために集まってしまいます。
他にも花粉・ほこり・小麦粉・乾燥食品・古紙・壁紙まで食べてしまう、かなりの雑食です。
チャタテムシはなんでも食べてしまうけど、特にカビに注意しなきゃね。
チャタテムシによる被害【放置すると危険!】
チャタテムシが繁殖すると、人に大きな害をもたらすことがあります。
どんな被害があるか、解説していきますね。
ツメダニの繁殖につながる
チャタテムシの発生による最大の問題は、チャタテムシをエサとする「ツメダニ」が繁殖してしまうことです。
チャタテムシ自体は、人を吸血することもなく、毒性もありません。
しかし、チャタテムシを食べる「ツメダニ」は、人を刺してしまいます。
ツメダニに刺されると、1週間ほど強いかゆみに襲われ、皮膚炎を起こすことも。
チャタテムシが繁殖すると、こういった2次被害が起きる可能性があります。
強いかゆみが1週間も続くなんて、家の中でも全然落ち着けないわ。
アレルギー症状を引き起こす
チャタテムシが繁殖すると、ぜんそくなどのアレルギー症状が出ることがあります。
これは、肺や気管支にアレルギー症状を引き起こす「カビ」を吸い込んでいるため。
チャタテムシの死がいやフンが乾燥によって粉々になると、ハウスダストとなり、人間が吸い込んでしまいます。
このとき、チャタテムシが食べていたカビも同時に吸い込むことに。
チャタテムシが繁殖すると、チャタテムシが食べていたカビが原因のアレルギー症状が引き起こされてしまいます。
アレルギー性ぜん息の患者のうち、約20%の人がチャタテムシのアレルギー反応があるという研究結果もありますよ。
アレルギー症状を引き起こす虫は、ダニだけじゃないのね。
チャタテムシを駆除する方法4選
- 【押し入れ・畳】くん煙剤をたく
- 【キッチン】アルコールスプレー(消毒用エタノール)でふき取る
- 【見える範囲のみ】粘着シートで取り除く
- 【本棚の本】本は天日干しする
チャタテムシの駆除方法を4つ紹介していきます。
繁殖した範囲や場所によって、方法を自由に選んでくださいね。
【押し入れ・畳】くん煙剤で見えない所も徹底駆除
押し入れなどの奥まった場所や、畳の中などの手が届かない所には、くん煙剤が効果的。
目に見えない所まで届き、チャタテムシをしっかりと駆除してくれます。
効果は1ヶ月ほど続きますが、チャタテムシの卵には効果がありません。
卵がふ化する2週間後を目安に、もう一度くん煙剤を使うと、より効果的です。
くん煙剤をたく時は、家電や食器にかからないよう保護してくださいね。
【キッチン】アルコールスプレー(消毒用エタノール)でふき取る
チャタテムシの駆除には、アルコールスプレー(消毒用エタノール)もオススメ。
アルコールに弱い虫のため、直接スプレーを噴射して拭き取るだけで、簡単に駆除できます。
また、食品にかかっても人体に影響がないため、食器棚や食品庫でも安心して使うことができます。
チャタテムシのエサであるカビの繁殖を抑える効果もあるため、予防もできて一石二鳥。
アルコールスプレー(消毒用エタノール)を使って、駆除と予防を同時に行いましょう。
安全なのに、駆除と予防が同時にできるなんてすごいわ。
【見える範囲のみ】粘着シートで取り除く
見える範囲のチャタテムシの駆除なら、粘着シートで取り除くのもオススメです。
掃除機で吸い取ると、排気によってどこかへ飛ばされ、別の場所で繁殖することも。
粘着シートなら、確実に取り除くことが出来ます。
しかし、見える範囲にしか効果はなく、大量発生した場合には根本的解決にはならないため注意しましょう。
少しの発生や、他の方法で駆除した後の仕上げに良いですね。
【本棚の本】図書館でも実践!本は天日干しする
本に現れたチャタテムシを駆除したいときは、天日干しがオススメ。
黒いビニール袋の中に本を入れて、直射日光に当てましょう。
気温が高く、天気の良い日であれば、袋の中は70℃以上もの高温になります。
チャタテムシは、70℃以上の高温に30分以上生きられません。
本を黒いビニール袋に入れて天日干しするだけで、チャタテムシをしっかりと駆除することができます。
この方法は図書館でもやっている駆除方法らしいですよ。
【簡単】チャタテムシを予防する方法3選
- ジメジメした場所は定期的に風通しをする
- 古い段ボール箱や本を放置しない
- 食材を密閉容器で保存する
チャタテムシが繁殖すると、人体への悪影響もあるので、しっかりと予防しましょう。
ここからは、予防方法を3つ解説していきますね。
ジメジメした場所は定期的に風通しをする
チャタテムシはジメジメした環境を好むため、除湿をすることが予防になります。
家の中の湿気を逃がすためには、こまめに窓を開けて換気を行うようにしましょう。
また、押し入れやクローゼットなど、普段閉めっぱなしにしている場所も、定期的に風を通してください。
除湿をすることで、チャタテムシのエサであるカビの発生を防ぐ効果もあります。
湿気とカビを防ぐことで、チャタテムシの予防になりますよ。
湿気が溜まりやすい場所には、除湿剤を置いておくのもいいですよ。
古い段ボール箱や本を放置しない
チャタテムシを予防するためには、段ボール箱や本を放置しないようにしましょう。
段ボール箱や本は湿気がこもりやすいため、ジメジメした環境が好きなチャタテムシが繁殖する原因になってしまいます。
ゴキブリやダニの温床にもなりやすいので、放置せず早めに処分することが大切です。
古本を段ボール箱に保管したりすると…考えるだけで恐ろしいわね。
食材は密閉容器で保存する
パスタなどの乾燥食品は、必ず密閉容器で保存するようにしましょう。
チャタテムシは雑食性のため、乾燥食品も大好物。
食品の袋を閉じても、少しのすき間から入ってしまい、袋の中で大繁殖してしまいます。
一度開けた袋は、輪ゴムやクリップで止めるだけでは不十分です。
必ず密閉容器に入れ直して、チャタテムシが入り込むすき間を無くすようにしましょう。
特にキッチンは湿気もあるし、繁殖しやすそうね。
まとめ
本で見かける小さな虫の正体は、「チャタテムシ」です。
見た目がダニに似ているため間違えられやすいですが、ダニよりも大きく、目で見える大きさが特徴です。
チャタテムシが繁殖してしまうと、ツメダニの発生や、アレルギーの原因にも。
湿度がこもりやすい場所を家の中に作らないよう、普段から気をつけるようにしましょう。
通販を使う機会が多い人は、段ボール箱が溜めてしまいがち。
早めの処分を心掛けてくださいね。
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