ダニの死骸はどうしてアレルゲンになるの?
ダニの死骸の危険性について詳しく知りたい!
こういった悩みについてお答えします。
ダニによるアレルギーが増えていると言われている近年。
ダニアレルギーの原因は、ダニの死骸です。
ダニの死骸をそのままにしておくと、家中ハウスダストだらけになりアレルギーが悪化することも。
想像しただけでも、くしゃみが出そうになりますよね・・・。
そもそもなぜ、ダニの死骸はアレルゲンになるのでしょうか。
今回は、ダニの死骸がアレルゲンになる理由や、ダニの死骸による危険性について詳しく解説していきます。
ダニの死骸の除去方法もご紹介するので、アレルギー症状に悩んでいる人はぜひ参考にしてくださいね。
ダニの死骸がアレルゲンになる理由
ダニの死骸がアレルゲンになるのは、ダニの消化官にある消化酵素(タンパク質)が原因です。
タンパク質が含まれているのはダニの死骸だけでなく、ダニのフンや抜け殻などにも。
ダニのタンパク質成分は生きているダニよりも、死んだあとに体内から外に出やすくなります。
そのため、ダニの死骸・フン・抜け殻がアレルゲンとなり、アレルギー被害を与えるのです。
しかし、家の中に発生するすべてのダニがアレルゲンになるわけではありません。
次に、アレルゲンになるダニの種類について解説していきます。
アレルゲンとなるダニの種類
アレルゲンになるダニの種類は「チリダニ(ヒョウヒダニ)」です。
チリダニは、家の中に発生するダニの8割以上を占めるほど、どこにでも発生します。
繁殖しやすい環境が整った場所では、チリダニが急速に増殖し大量発生することも。
チリダニが好む環境
- 暗い場所
- ホコリがある場所
- 温度20~30℃
- 湿度60~80%
また、チリダニは布団・ソファ・カーペットなど、布製でふかふかしたものを住みかにしやすいです。
見落としやすいですが、押し入れや家具の裏などに溜まっているホコリの中にも、チリダニは潜んでいます。
ホコリ1gの中には、チリダニが1000匹以上もいるそう・・・!
ハウスダストに含まれているダニも、ほとんどがチリダニなんだって!
アレルギーを発症・悪化させないためには、家の中を定期的に掃除してホコリやゴミを除去し、チリダニが繁殖しにくい環境にすることが大切です。
繁殖してしまったチリダニはしっかりと死滅させ、チリダニの死骸やフンを除去することがアレルギー対策につながります。
ダニアレルギーは増加し続けている
ダニアレルギーが近年増加しており、家の中に発生するダニの数は30年前と比べると約3倍も増えています。
原因は、現代の日本の住宅が断熱性や気密性が高く、ダニにとって快適な環境が1年中整っているから。
人が住みやすく快適な環境を維持できている現代の住宅は、ダニにとっても快適な環境なのです。
またダニは目に見えにくいため、食物アレルギーや動物アレルギーなどと比べると、アレルギー対策の意識が低いことも原因とされています。
アレルギーの原因がダニやハウスダストとわかっていても、どう対策したらいいのかわからない人も少なくありません。
さらにエアコンなどによる冷暖房機能も充実し、寒くなれば暖房をつたり、乾燥すれば加湿機を使ったり・・・。
気づかないうちに、ダニにとって最適な環境をつくってしまっていることも原因の1つです。
ダニ対策の目的は、ダニの数を減らすこととダニを増やさないこと。
以下の記事では、ダニの駆除方法やダニの予防方法をご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ダニの死骸による危険性2つ
ダニの死骸による危険性は2つあります。
- アレルギーの発症・重症化
- アレルギーの原因はほとんどが「ダニ」
ダニアレルギーは、季節性のアレルギーとは違い、1年を通して発症するアレルギーです。
通年性とされるダニアレルギーの危険性について解説していきます。
アレルギーの発症・重症化
ダニの死骸やフンは、症状がない人でもアレルギーを発症させる可能性があります。
ダニアレルギーのおもな症状は、4つあります。
ダニアレルギーの症状
- 【アレルギー性鼻炎】
鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ - 【アレルギー性皮膚炎】
湿疹、皮膚のかゆみ - 【アレルギー性結膜炎】
充血、目のかゆみ - 【気管支喘息】
咳、呼吸困難
とくにアレルギー性鼻炎や喘息は、鼻水や咳などが長引いて症状が悪化しやすいです。
また、ダニの死骸やフンが大量にある場所では、アレルギーが重症化するリスクもあります。
掃除をしていない布団などでダニの死骸を大量に吸い込んでしまった場合は、アナフィラキシーを引き起こしてしまうことも。
ダニアレルギーの症状が軽い場合でも、放置せずに早めに受診することを強くおすすめします。
アレルギーの原因はほとんどが「ダニ」
アレルギーの原因はさまざまありますが、アレルギー症状がある人の約8割がダニに陽性反応を示します。
また、小児喘息の原因は約9割がダニです。
花粉の時期以外にアレルギー症状が出たら、ダニやハウスダストが原因と疑ってみてもいいかもしれません。
ダニアレルギーって治るの・・・?
何も対策せずに過ごすだけでは、アレルギーの症状は治まりません。
しかし、しっかりとダニ対策することでアレルギーの予防や改善が期待できますよ。
ダニアレルギーの対策方法3つ
ダニアレルギーの対策方法は、以下の3つです。
- ダニを繁殖させない
- 繁殖したダニが死滅させる
- 死滅したダニの死骸やフンを除去する
ダニ対策を始めてから、アレルギー症状が治まった人が多数います。
具体的なダニアレルギーの対策方法をご紹介します。
①ダニを繁殖させない
ダニを完全にゼロにするのは難しいですが、ダニの繁殖を抑えることはできます。
まずは、ダニを繁殖させない環境をつくることが最も重要です。
ダニが繁殖しやすい環境
- 湿度60~80%
- ホコリやゴミなどがある
ダニは湿度が高い場所や、ホコリがある場所を好みます。
湿度が高い場合は除湿機を使ったり、定期的に換気をしたりして湿度を60%以下に保ちましょう。
またホコリやゴミなど、ダニのエサとなるものは掃除をして除去し、常に清潔な環境になるよう心がけてみてください。
②繁殖したダニは死滅させる
繁殖してしまったダニは、徹底的に死滅させましょう。
ダニの弱点は、「高温」と「乾燥」です。
高温と乾燥でダニを死滅させる方法
- 衣類乾燥機
- 布団乾燥機
- スチームアイロン
衣類乾燥機や布団乾燥機を使えば、50℃以上の高温で一気にダニを死滅させられます。
厚手の布団や毛布など家庭で洗濯できないものは、コインランドリーの使用がおすすめ。
また、スチームアイロンを使えば、蒸気の温度が100℃以上にまで上がるので、ダニは確実に死滅します。
高温でダニを死滅させる場合は、熱に弱い素材でないことを事前に確認してから行いましょう。
③死滅したダニの死骸やフンを除去する
ダニは死滅させたあと死骸となって残り続けるため、徹底的に除去する必要があります。
ダニの死骸やフンを除去する方法
- 掃除機で吸う
- 洗濯で丸洗い
ダニの死骸やフンは、掃除機で吸って取り除きましょう。
掃除機がけをする際は、ゆっくり時間をかけて、いろんな方向からかけるのがポイント。
また、洗濯で丸洗いしてもダニの死骸は除去できます。
洗濯できるものには丸洗い、洗濯できないものには掃除機で吸い取る方法がおすすめです。
まとめ|ダニの死骸は徹底的に除去しよう
- ダニがアレルゲンになるのは、「タンパク質」が原因
- アレルゲンになるダニは、「チリダニ」
- ダニアレルギーは放っておくと重症化するリスクがある
- アレルギーの原因はほとんどが「ダニ」
- ダニ対策でアレルギーの予防・改善が期待できる
ダニアレルギーを発症・悪化させないためには、ダニの死骸を除去することが最優先です。
また、ダニが繁殖しにくい環境をつくり、家の中を清潔に保つことも大切。
ダニアレルギーに悩んでいる人は、ダニ対策から始めてみるのをおすすめします。
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