虫に刺されたけど、ダニと蚊の違いがわからない。
刺されたときの症状や処置、予防法の違いが知りたい!
このような悩みにお答えします。
ダニや蚊は、刺される部位や症状が、見てわかるほど違います。
蚊はすぐにかゆみがでて、症状は長引きません。
しかし、ダニは遅れてかゆみがでるものや、症状が長引くものも多いです。
ダニによっては、人の命をおびやかす感染症を媒介(ばいかい)するものも…
ダニと蚊の違いか分かれば、刺されたときの対応や、刺されないための対策も立てやすいですよね。
こちらの記事では、ダニと蚊の違いを場所や症状、処置、予防法など徹底的に解説します。
人を刺すダニは3つ
- ツメダニ
- イエダニ
- マダニ
人を刺すダニはツメダニとイエダニ、そしてマダニです。
それぞれのダニの生態について紹介します。
ツメダニとは
- 鋭いツメがある
- 人の家の高温多湿な場所に生息する
- コナダニやチリダニなどをエサにする
- 夜の間に人を刺し、体液をすう
その名前の通り、ツメがあるのがツメダニ。
コナダニやチリダニと違い、とても大きなツメがあり人を刺します。
ツメダニに刺されたことがある人も、多いのではないでしょうか。
実はツメダニが吸っているのは、血液ではありません。
2本のツメを人に刺して血液以外の体液を吸います。
さらに、かゆみの原因となる分泌液を、人の体に入れるのです。
蚊やイエダニ、マダニと同じく血を吸っていると思っていたわ。
また、ツメダニは、ダニの仲間であるコナダニやチリダニなどがエサです。
ふとんやカーペット、たたみなどコナダニやチリダニが多い場所では、ツメダニも増えます。
そして夜の間に行動するツメダニは、ふとんの中で移動し、偶然にも人を刺してしまうのです。
エサであるコナダニやチリダニが少なくなれば、ツメダニも減りますよ。
イエダニとは
- ねずみや鳥に寄生する
- 人を刺して血を吸うことがある
- 血を吸ったあとは1㎜以上の大きさになる
- 皮膚炎や感染症の原因となる
ねずみや鳥に寄生しているダニが、イエダニです。
イエダニはねずみや鳥につき、血を吸うことで生存します。
血を吸う対象は、人もふくまれます。
実は、ねずみや鳥などの血を吸う以外に、エサとなるものはありません。
寄生していたねずみや鳥が死んでしまうなど、寄生する場所がなくなると、人もターゲットになるのです。
ねずみや鳥の血を吸っていたイエダニは、感染症を持っている場合があります。
イエダニを見つけたときや、刺された場合は、できるだけ早くイエダニの退治を行いましょう。
マダニとは
- 野原や川原など、草がおいしげる場所に生息する
- 人や犬などほ乳類のニオイを感知し飛びつく
- ほ乳類の血を吸って成長する
- マダニに刺されることで感染する病気がある
野原や川原など、草がたくさん生えている場所にいるのがマダニです。
マダニは人や犬などのほ乳類が近くを通ると、ニオイを感知し飛びつきます。
飛びついたマダニは、皮ふからはがれないようにするため、口を皮ふにうめ込むのです。
口が外れなくなったら、血を吸い始めます。
マダニは血を吸う期間がながく、数日から10日程度。
マダニは命の危険をともなう感染症を持っていることもあるため、刺されないように注意しましょう。
ダニや蚊に刺される場所の違い
虫の種類 | 肌の露出との関係 | 皮ふのやわらかさ | その他 |
---|---|---|---|
ツメダニ | 関係ない | やわらかい部分 | |
イエダニ | 関係ない | やわらかい部分 | 血管に近い部分が刺される |
マダニ | 関係あり | やわらかい部分 | |
蚊(か) | 関係あり | 関係なし |
上記がダニと蚊の刺される場所の違いです。
【ツメダニと蚊】刺される場所の違い
ツメダニは蚊と違い、肌が露出していなくても刺されます。
これは、ツメダニが服の繊維(せんい)を、簡単に通りぬけられるからです。
ふとんにひそむツメダニは、夜に行動し服のを通りぬけ、偶然にも人を刺してしまい、体液を吸います。
朝起きたら、「お腹や太もも、二の腕などがかゆい」なんて経験はありませんか。
これは、ふとんから服へと移動したツメダニが、お腹や太もも、二の腕などやわらかい皮ふが近くにあり、たまたま刺したと考えられます。
ツメダニの被害がやわらかい皮ふの部分が多いのは、繊維(せんい)を伝って移動するからですね。
だから、肌が露出していなくても、ツメダニに刺されてしまうのでしょう。
【イエダニと蚊】刺される場所の違い
イエダニは蚊と違い、肌が露出していない部分も刺します。
イエダニは血液を吸うため、皮ふ表面から血管が近い部分を刺すからです。
特に狙われる部位は、お腹や太もも、二の腕、わき腹、わきの下などです。
ツメダニよりもサイズが大きいイエダニですが、その大きさは0.75~1㎜。
簡単に服の中に入ることができるサイズです。
よって肌が露出していなくても、人を刺します。
【マダニと蚊】刺される場所の違い
マダニは蚊と同じく、肌が露出している部分を刺します。
ツメダニやイエダニよりサイズが大きく、服を通りぬけることができないからです。
また、マダニは蚊と違い、皮ふのやわらかい部分から血を吸います。
マダニは、ハリを刺して血を吸うわけではありません。
皮ふ切り裂き、口を皮ふの中にうめ込み血を吸います。
実際にマダニが血を吸っているときは、かさぶたに間違われることも。
皮ふに口をうめ込むためには、皮ふがやわらかくなければなりません。
そのため、二の腕、ひざのうら、わきの下などが狙われるのです。
ダニや蚊に刺されたときの症状の違い
虫の種類 | 赤くはれる・発疹 | かゆみ | 刺される数 | その他 |
---|---|---|---|---|
ツメダニ | 〇 | 刺されて2~3日後 | 複数個所 | 痛みのあとにかゆみが出る |
イエダニ | 〇 | すぐに激しいかゆみ | 複数個所 | 感染症にかかった場合は発熱などの症状がでる |
マダニ | 〇 | 症状は特になし | 1か所 | 1週間以上かゆみ・はれが続く 感染症にかかる可能性がある |
蚊(か) | 〇 | 刺されてすぐにあり | 1か所 | まれに感染症にかかる可能性がある |
ダニや蚊に刺されたときの症状を紹介します。
【ツメダニと蚊】刺されたときの症状の違い
ツメダニは蚊と違い、刺されてすぐにかゆみの症状はでません。
ツメダニは痛みが刺されて2~3日後にでます。
痛みが出たあと、かゆみへと変化し、1週間から10日ほど症状が続きます。
また、ツメダニと蚊の違いは、かゆみのでかただけではありません。
刺されたときの傷跡も違います。
蚊はハリを刺すため傷が1つ。
ツメダニは2つのツメでかむため、傷が複数でることが多いです。
刺された傷のあとが集中して複数あるときは、ツメダニをうたがいましょう。
【イエダニと蚊】刺されたときの症状の違い
イエダニは蚊と同じで、すぐにかゆみの症状がでます。
刺されると蚊よりも、激しいかゆみにおそわれるのがイエダニ。
イエダニと蚊の違いは、かゆみが続く期間です。
蚊はかゆみや腫れが長引きません。
しかし、イエダニは1週間以上、かゆみや腫れに悩まされます。
また、イエダニは刺された場所に水ぶくれや発疹ができること、複数の傷ができるなど、蚊との違いがあります。
イエダニに刺されたときに、最も気をつけてもらいたいのが感染症です。
蚊にも日本脳炎などの感染症がありますが、イエダニには「発疹熱リケッチア」があります。
発疹性リケッチアは、発熱や頭痛、関節痛などの症状がでます。
かゆみや腫れ以外の体の変化があったときは、イエダニによる感染症をうたがいましょう。
〈発疹熱(ほっしんねつ)リケッチアとは〉
・ねずみに寄生する、イエダニやネズミノミが媒介(ばいかい)する感染症
・ネズミノミのフンなどにも、菌が含まれることがある
【マダニと蚊】刺されたときの症状の違い
マダニは蚊や他のダニと違い、血を吸われているときにかゆみや痛みなどの症状がでません。
刺されても気がつかない人が多いとも言われています。
マダニに刺されたことに気づくときは、刺されて時間がたったあとです。
刺された後の症状は、大きく腫れたり、水ぶくれになるなどです。
この時もかゆみなどは、ほとんどありません。
マダニに刺されたときに最も注意したいのが感染症です。
蚊やイエダニも感染症がありますが、マダニはとくに感染症をもっている可能性が高いです。
主なマダニの感染症は、日本紅斑熱、回帰熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など。
マダニに刺され感染症になった場合は、発熱や嘔吐、関節痛などさまざまな症状がでます。
ときには命にかかわるので、刺されないように気を付けましょう。
ダニや蚊に刺されたあとの処置の違い
虫の種類 | 市販のかゆみ止め | 病院受診 | その他 |
---|---|---|---|
ツメダニ | 軽度の場合〇 | 症状が長いときは受診 | かゆみが強いときは病院を受診する |
イエダニ | △ | 刺されたらすぐに受診 | 感染症の可能性があるためすぐに受診する |
マダニ | × | 刺されたらすぐに受診 (マダニの種類がわかると良い) | 感染症の可能性があるためすぐに受診する 自分でマダニをはがしてはいけない |
蚊(か) | 軽度の場合〇 | 腫れが強くなったときは受診 | かゆみが強いときは冷やすのも効果的 症状がひどい場合は感染症の可能性があり |
実際にダニや蚊に刺されたときの対応です。
【ツメダニと蚊】刺されたあとの処置の違い
ツメダニは、かゆみが軽い場合、蚊と同じで市販のかゆみ止めが利用できます。
病院を受診するタイミングは、かゆみが強い場合、10日間より長く症状がつづくときです。
ツメダニは蚊やイエダニ、マダニと違い、感染症の心配はありません。
しかし、ツメダニに刺された部分がかゆく、かきむしってしまうと、刺されていない部分もかゆくなるトビヒになる可能性もあります。
トビヒは虫刺されなどの部分をかくことで、細菌に感染してしまう病気です。
刺された部分以外にかゆみがでたときは、病院で適切な治療を受けましょう。
【イエダニと蚊】刺されたあとの処置の違い
イエダニに刺されたときは、できるだけ早く病院に行きましょう。
蚊やツメダニと違い、感染症の可能性があるからです。
イエダニは蚊のように、かゆい部分に市販のかゆみ止めをぬれば、効果はあります。
しかし、ねずみが感染源の、発疹熱リケッチアに感染する可能性があります。
イエダニが必ず発疹熱リケッチアを感染させるわけではありません。
古い家屋など、ねずみなどが出入りしやすい環境では、感染する可能性が高いです。
かゆみと腫れだけだからと過信せず、病院に行くことが大切です。
【マダニと蚊】刺されたあとの処置の違い
マダニに刺されたときは、病院に行き適切な治療を受けることが大切です。
マダニは、イエダニと同じく感染症を媒介(ばいかい)するダニ。
近年では、マダニ感染症の1つである、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で亡くなった事例も報告されています。
イエダニと同じく、マダニに刺されると、必ず感染症にかかるわけではありません。
しかし、どのマダニが感染症を持っているか、事前に知ることはできないのです。
マダニが体に刺さっている場合は、自分ではがしとらずに、そのまま病院へ行きましょう。
自分ではがしとってしまうと、マダニの口が皮ふの中に残り、感染症にかかる確率が上がってしまいます。
また、マダニは種類によって感染症も違います。
どの種類のマダニに刺されたかわかると、すみやかに治療が受けられます。
必ず病院でマダニをとってもらいましょう。
ダニや蚊に刺されない予防法の違い
虫の種類 | 肌につける 虫よけスプレー | 長そで長ズボン 着用 | 家の中のそうじ | 殺虫剤の使用 |
---|---|---|---|---|
ツメダニ | × | × | 〇 | 〇 |
イエダニ | 〇 | × | 〇 | 〇 |
マダニ | 〇 | 〇 | × | 〇 |
蚊(か) | 〇 | 〇 | × | 〇 |
ダニや蚊から身を守るには、殺虫剤や虫よけ剤などのアイテムを上手に使うのが大切です。
【ツメダニと蚊】刺されない予防法の違い
ツメダニは蚊と違い、家をそうじすることで、刺されない予防ができます。
そうじをすれば、ツメダニのエサはコナダニやチリダニが減るからです。
ツメダニのエサであるコナダニやチリダニは、人のフケ、アカ、そのほかにホコリなどがあると増えます。
エサを増やさなければ、ツメダニが増えることはありません。
また、殺虫剤やダニ捕りシートなども、ツメダニの被害を減らすことができるのです。
殺虫剤やダニ捕りシートは、エサであるコナダニやチリダニだけでなく、ツメダニにも直接効果があるものもあります。
家の中でダニを増やさないことが、ツメダニに刺されない近道です。
【イエダニと蚊】刺されない予防法の違い
イエダニもツメダニと同じく、家をそうじすることが効果的です。
イエダニはねずみや鳥などについて、家の中に入ってきます。
家の中に入ってきたイエダニをそうじで取り除けると、イエダニの被害を減らすことが可能です。
また、イエダニは蚊のように虫よけスプレーで、予防ができます。
特に効果があるのは、「ディート」や「イカリジン」という成分を含む虫よけスプレーです。
「ディート」や「イカリジン」は、吸血する虫を混乱させ、人の体温やにおいなどを感知する能力を低下させます。
よって人の血液を吸う、イエダニ、マダニ、蚊に刺されることを予防できるのです。
実際に虫よけスプレーを使うと、蚊などに刺される回数が減りますよね。
汗などで虫よけスプレーの成分が落ちてしまうと、また虫に刺されやすくなります。
スプレー裏がわの使用方法を読んで、しっかりイエダニや蚊から刺されることを予防しましょう。
虫よけスプレーを買う時は「ディート」と「イカリジン」ね!
「イカリジン」は、年齢問わず使えるけど、「ディート」は年齢によって制限があるよ。
小さな子供に使うなら「イカリジン」がオススメ。
【マダニと蚊】刺されない予防法の違い
マダニと蚊の予防方法は、よく似ています。
マダニの予防に効果があるのが、長そで長ズボンを着ることです。
マダニや蚊が、服の上から吸血することはありません。
また、イエダニのように服の中へ移動できるほど、マダニは小さくないからです。
マダニは蚊と同じく、人の体温やにおいなどを感じて、肌につきます。
皮ふに口をうずめて、血を吸うマダニ。
蚊も細いハリを、肌に刺して血を吸います。
服の上からでは、口やハリを刺すことはできません。
よってマダニや蚊に刺されないためには、長そで長ズボンが大切なのです。
ちなみにイエダニも同じく血を吸うダニです。
イエダニは夜活動するダニで、小さい体で服のすきまから入り、柔らかい肌にハリを刺します。
なので長そで長ズボンを着用しても、効果は期待できません。
山や草むらなどに行ったときは、家に入るまえにうわぎなどを脱ぎましょう。
服についたマダニを、家の中に持ち込まないためです。
マダニも、「ディート」や「イカリジン」を含む、虫よけスプレーが効果ありですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
刺された場所がかゆいから、すべてが蚊やツメダニというわけでありません。
感染症をもっているイエダニやマダニの可能性もあります。
事前にダニや蚊の刺さされやすい部位や症状の違いなどを知っていることが大切です。
もしも刺されてしまったときは、適切な処置をしましょう。
また、虫よけスプレーや殺虫剤、ダニ捕りシートなどのアイテムで、刺されることも予防できますよ。
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