そもそもダニとノミの違いって何かしら。
こういった悩みにお答えします。
ダニもノミもとても小さく、夏になると繁殖し、ヒトをさす害虫として知られています。
夏がくるたびに「もしかして家の中にたくさんいるのでは」と不安になってしまいますよね。
ただ、ダニとノミの違いについて、あいまいな方も多いのではないでしょうか。
「家の中で蚊ではない、何かに刺された。」「家の中で小さな虫がはねている。」と青ざめることになる前に、ダニとノミの違いを知って、区別できるようになることから始めましょう。
この記事では、ダニとノミの違いについて、生態・特徴・刺される位置・侵入経路と大きく4つに分けてまとめました。
ダニとノミの写真やイラストはいっさい出てきませんので、安心してお読みくださいね。
ダニとノミの違い4つ
- 生態(おもな生息場所・食べ物)
- 特徴(大きさ・色・歩き方・肉眼で見えるか?)
- 刺される位置・刺され痕・症状・対処法
- 侵入経路
家の中に住むダニとノミのちがいは、大きく分けて4つあります。
ダニとノミの違いについて、くわしく知るのは本当は少し気持ち悪い。
けれど、ここは家族のため、自分のため。
ちょっとだけがまんして、さっそく一つずつ、見ていきましょう。
ダニとノミの違い①:生態(おもな生息場所・食べ物)
違い | ダニ(室内のもの) | ノミ |
---|---|---|
おもな生息場所 | 布団、たたみ、カーペット、ソファなど | 動物の皮ふや毛の中 |
食べ物 | 人間のフケやアカ、髪の毛、汗、食べカス 他のダニ | 動物の血液 人の血液 |
ダニの生態
家の中のダニは、大きく分けると、アレルギーの原因となる「ヒョウヒダニ(チリダニ)」と、人を刺す「ツメダニ」がいます。
それぞれの生態は以下のとおりです。
ヒョウヒダニ
ヒョウヒダニは、布団、たたみ、カーペット、ソファなどの繊維のすき間に住み、人間のフケやアカ、髪の毛、汗などを食べて生きています。
フケ・アカ・汗1gで、約300匹のダニが生息できます。
たった1gなのに、こんなにも多くのヒョウヒダニのエサとなってしまうのですね。
ショックで軽くめまいがしました。
メスのダニは一日2~4個ほどの卵を産み、一生で70~100個の卵をうむと言われています。
10匹のダニが生息していたとすると、約3ヶ月で、1万匹にも増えてしまう計算になります。
ダニの死骸やフンなどが空気中に舞うと、アレルギー反応をひき起こし、吸い込んでしまった場合にはぜんそくの症状が起きてしまうこともあります。
私も息子もアレルギーの血液検査をしたところ、ダニアレルギーの陽性反応が強くでました。
家の中のダニアレルギーの犯人はヒョウヒダニだったのね。
ツメダニ
人を刺すという点で、ノミとよく比較されるのはツメダニです。
ツメダニは、ヒョウヒダニと同じく、布団、たたみ、カーペット、ソファなどの繊維のすき間に住み、チリダニなど他のダニを食べていきています。
ツメダニはその名前のとおり、大きなツメをもっていて、この大きなツメでエサとなる小さな虫を捕食します。
つまり、ヒョウヒダニが増えるとツメダニも増え、わたしたちが刺されてしまう被害が出てしまうのです。
恐ろしい悪循環ですよね。
これを知ると、ヒョウヒダニ・ツメダニをできる限り減らすために、こまめな掃除などの対策がいかに大事かを、ひしひしと感じます。
ちなみに、ツメダニは人の血を吸うことはありません。
ただ、まれに誤って、人の皮ふを刺して体液を吸ってしまうことがあります。
ノミの生態
ノミには、「イヌノミ」「ネコノミ」の2種類がいますが、現在は、ほとんどがネコノミの被害です。
ネコノミは、名前の通り、おもにネコの皮ふや毛の中に住み、血を吸いますが、犬など他のペットへも寄生し、人の血を吸うこともあります。
成虫はメスとオス共に吸血し、吸血時間は20~25分にもなります。
蚊は産卵のためにメスだけが吸血するけど、ノミはメス・オス関係ないのね。
吸血時間も長くて、びっくりだわ。
ノミは吸血後、1日以内に交尾をし、ネコやイヌの体に卵を産み付けます。
そして、1日に最大で20個前後の卵を産みます。
卵は高温に弱いため体の上で発育できず、畳や床下のゴミの間などに落下し、そこで孵化して育ちます。
ペットのノミの駆除とともに、カーペットなどに落ちたノミの卵の駆除までが必要だなんて。
盲点でした。
ノミを見つけたら、絶対につぶしてはいけません。
もしメスのノミであれば卵を持っている可能性があり、つぶすことで卵を撒き散らかしてしまうからです。
ノミを完全に退治する方法はこちらです。
- 部屋中の隅から隅まで掃除機をかける
- 粘着ローラー(コロコロ)をかける
- 燻煙剤を使う
- 布団はコインランドリーで洗う ⇒60℃以上の熱水処理と60℃以上の熱風乾燥で死滅する
増えてしまう前に一刻も早い駆除が必要です。
ダニとノミの違い②:特徴(大きさ・色・歩き方・肉眼で見えるか?)
違い | ダニ(室内のもの) | ノミ |
---|---|---|
大きさ | ヒョウヒダニ(0.3㎜~0.4㎜) ツメダニ(0.3㎜~0.8㎜) | 2㎜ |
色 | 半透明や白色 | 褐色 |
歩き方 | はって移動する | 15~30cmほど跳びはねる |
肉眼で見えるか? | 小さくて見えない | 注視すると見える |
ダニの特徴
ヒョウヒダニもツメダニも0.3㎜~0.8㎜以下ととても小さく、体の色も半透明や白色です。
人間の肉眼でみることができません。
目で見ることができたら、どんなに面倒でも、こまめに布団を乾燥機にかけるのにと、とても残念です。
どうしてもダニを目で確認したい方は、市販のダニ目視キットを使用すると見ることができます。
ノミの特徴
それに対し、ノミの大きさはおよそ2㎜で、体の色は褐色、ぴょんぴょんと飛び跳ねます。
注視すると目でみることができます。
「ペットが異常にかゆがっている。よく見たらノミが跳ねていた。」という話をよく聞きます。
ノミはジャンプ力が強く、自分の体長の200倍のジャンプ力を持っていて、30㎝くらいの高さまで飛ぶ事ができます。
その跳躍力で、草むらから私たちやペットに飛び移ってくるわけですね。
小さな外敵、恐るべしです。
ダニとノミの違い③:刺される位置・刺され痕・症状・対処法
ちがい | ダニ(室内のもの) | ノミ |
---|---|---|
刺される位置 | 肌のやわらかい場所 (お腹や二の腕、わきの下など) | 下半身 (特にひざ下など) |
刺され痕 | 赤くブツブツとはれる | 赤くブツブツとはれる 赤い斑点が毎日増えていく 水ぶくれができる |
症状 | 強い痛み、その後かゆみ | 激しいかゆみ |
対処法 | ステロイド外用薬を使う。 症状が強い場合は、医療機関を受診する。 | ①すぐに水で綺麗に刺された箇所を洗う ②タオルやハンカチなどに保冷剤などを入れて冷やす ③医療機関を受診する |
ダニに刺される位置・刺され痕・症状・対処法
ダニは主に夜間に活動するので、私たちが寝ている間に、お腹や二の腕、わきの下など、肌のやわらかい場所を刺します。
全身がとてもやわらかな肌の息子がさされたらと思うと、気が気でないわ。
刺されると、0.5~1㎝くらいの大きさの赤くブツブツとした湿疹が広がり、刺された後をよく見ると穴が2つ開いています。
刺された2~3日後に痛みが出はじめ、我慢できないほどの強い痛みに襲われます。
痛みが引くと、今度はかゆみが1週間ほど続きます。
強い痛みのあとはかゆみが続くなんて、とてもやっかいですね。
市販薬の塗り薬を使う場合は、十分な強さのステロイド外用薬を使います。
患部の腫れがひどく、痛みがある場合や、広範囲にわたって症状が出ている場合は、医療機関を受診するのがよいでしょう。
ノミに刺される位置・刺され痕・症状・対処法
対してノミは昼間に活動し、ぴょんぴょんと飛び跳ね、私たちのひざ足など下半身を刺してきます。
刺されると、数㎜から1㎝くらいの大きさの赤くブツブツとした湿疹ができ、ひどい場合には数時間後に大きな水ぶくれや、かさぶた、色素沈着がみられることもあります。
ノミに刺された時の症状は、蚊よりも強い激しいかゆみが3日~1週間ほど続き、一般的な虫さされ薬では効きません。
ノミは刺した時に唾液を血液中に入れるため、この唾液がアレルゲンになってしまい、かゆみがひどくなってしまいます。
刺された時にまずは、下記のような応急処置をしましょう。
- 刺された箇所を水できれいに洗い流す。(唾液を少しでも洗い流す)
- 患部を冷やす。(かゆみを和らげる)
水ぶくれができている場合、すれて破裂してしまうと、その汁が体の他の場所に付着して再びアレルギー反応が出ることがあるので注意が必要です。
そして、できるだけ早急に、医療機関を受診するのがよいでしょう。
ダニとノミの違い④:侵入経路
ちがい | ダニ(室内のもの) | ノミ |
---|---|---|
主な侵入経路 | 屋外から人を介して運ばれる | 屋外から主にペットを介して運ばれる |
ダニの侵入経路
ダニは、いったいどこからやってくるのか、疑問ですよね。
ダニは、屋外やほかの室内から、人の衣類などにくっついて運ばれます。
電車やバスの座席、お友達の家のソファーやカーペットなど、さまざまな物にふれることで、身に付けている衣類にくっつき、家の中に持ち込まれてしまうのです。
新幹線で座席に座らないわけにはいかないし、カフェで友達とお茶をするときに、ふかふかのソファに座ることもあります。
つまり、ダニの侵入を完全に防ぐことは、不可能なのですね。
ダニの侵入経路について日頃気にしていなかっただけに、驚きでした。
ノミの侵入経路
ノミは、犬やネコなどが公園の草むらなどを散歩することで、もらってくることがほとんどです。
ペットを飼っていなくても、来客や野良猫、屋外から人の衣服や靴などにくっついて侵入してくる場合もあります。
ノミを侵入させないための対策としては下記のとおりです。
- 公園の草むらでは、なるべく肌を露出しない ⇒吸血されるリスクを下げる
- ノミ除けできる虫よけスプレーをする
- ペットのお散歩帰りには、家にあげる前にペットのカラダをチェックする
夏場の散歩はノミがいそうな草むらをさけ、室内にノミを侵入させないことが、鉄則です。
まとめ
ダニとノミの違いは、生態・特徴など、たくさんありましたね。
ダニもノミも繁殖力が強いので、油断をすると、あっという間に数が増えてしまうのが、本当に恐ろしいところです。
ダニは見えないこともあり根絶は難しいので、増やさない、極力減らす努力をする。
あまり神経質になりすぎるのも精神的に良くないのかなと思います。
ノミはペットや人の血を吸うので、1匹でも見つけたら根絶は必須。
早めにペットを病院に連れて行く、燻煙剤を使うなど、徹底的な駆除をしましょう。
家族全員が、気持ちよく毎日を暮らせるよう、これらの知識を活かして予防していきたいですね。
コメント