人にうつるダニってどんなダニ?
どうしたら防げるの?
こういった悩みにお答えします。
マダニやヒゼンダニは、人へ病気をうつすダニとしてよくニュースでも見かけますよね。
マダニはペットからうつる場合もありますし、疥癬(かいせん)はペットだけでなく人からもうつってしまう病気です。
どんなふうにしてうつるのか、どうしたら防げるのかか気になりますよね。
うつるダニの対策法が分かると、うつるダニの被害を減らすことも可能です。
そこで、うつるダニと対策法について詳しく説明します。
人から人へうつるダニ
ダニによって人から人へと感染する疥癬(かいせん)という皮膚炎があります。
疥癬は、ヒゼンダニの寄生による感染症で、2種類に分類されます。
通常疥癬 (普通に見られる疥癬) | 角化型疥癬 (痂皮型疥癬) | |
ヒゼンダニの数 | 数十匹~ | 100万~200万匹 |
免疫力 | 正常 | 低下 |
感染力 | 弱い | 強い |
主な症状 | 丘疹、結節、疥癬トンネル | 厚い垢が増えたような状態(角質増殖) |
掻痒感 | 強い | 不定 |
発症部位 | 顔や頭や陰部を除いた全身 | 全身 |
入院 | 不要 | 必要 (隔離が必要:治療開始後1〜 2週間) |
特に角化型疥癬は、ヒゼンダニが100万~200万匹もいるため、感染力はきわめて強いようです。
通常の疥癬患者から感染する場合は、同じふとんで一緒に寝たりする程度で感染します。
角化型疥癬は、ソファーで隣に座ったりしただけでも感染してしまうことあるほど感染力が強いです。
疥癬が疑われる場合は、必ず病院の受診をしてください。
日本の疥癬の感染者数は、残念ながら正式な統計がとられていません。
しかし、推定患者数は年間8~15万人もいるとされています。
疥癬の対策は、手洗いが効果的だと言われています。
感染の可能性のあるものを直接触らないようにすることです。
ヒゼンダニとは………
人や動物などの表皮内にもぐり込み、疥癬などの皮膚感染症を感染させることで知られています。
皮膚の角質層にトンネルのような穴を掘り、そこに卵を産み付けます。
大きさは0.2~0.4ミリメートルほどで、肉眼で見ることは困難です。
ヒゼンダニは、ピレスロイド系薬品が効果的であり、バルサンやダニアースが有効です。
また、掃除機の使用やリネン類には60度以上の熱処理も効果があります。
ペットから人へうつるダニ
- マダニ
- ヒゼンダニ
ペットから人へもダニはうつります。
特に注意が必要なのが、マダニとヒゼンダニです。
ペットのダニは人間にはうつらない、またはうつるまでに死滅するから大丈夫という話を聞いたことがある人もいると思いますが、実際は被害にあう方が多いようです。
そこで、マダニとヒゼンダニの被害についてまとめてみました。
マダニによる感染
ペットについてきたダニが、ペットとの触れ合いを介して人に移動し、噛みつくことがあります。
また、マダニによる感染症にり患した犬や猫などのペットに噛まれたりしたときも人に感染します。
ペットの排せつ物の処理にも注意が必要です。
マダニはダニの中でも殺人ダニと言われ、特に注意しなければならないダニです。
ペットに対しても人間と同様に、マダニに噛まれて死亡した例もあります。
さらに、マダニには近年、新しい感染症もでてきており、まだまだ未知の病原菌がたくさん。
より注意していきたいですよね。
マダニに噛まれたことがわかったら、早急に皮膚科の受診をしてください。
ペットにマダニを見つけた場合、早急に除去し、動物病院へ連れて行ってあげてください。
ヒゼンダニによる感染
ペットにもヒゼンダニが原因の疥癬(かいせん)があり、ペットから人にうつる事例もあります。
感染経路はペット同士の接触が一番の原因となっているため、防ぐことが難しいです。
ドッグランや動物病院などペットが集まる場所に感染の危険があります。
ヒゼンダニは、治療中はペットとの触れ合いさえもできなくなってしまうほどの感染力。
ヒゼンダニの数が多いとすぐに感染してしまうので、飼い主さんの意識も大切です。
また、人からペットへの感染も考えられるので、注意してください。
ペットの疥癬は、多頭飼いをされている場合には隔離しなくてはなりません。
これからペットを飼う予定のある方は、しっかりとダニ対策してくださいね。
ペットからのダニ媒介感染対策3つ
- ペット専用防ダニ製品や駆除製品の利用
- マダニの対策
- ヒゼンダニの対策
ダニの除去や予防など、ペット自身が感染しないためにもできることがあります。
飼い主さんの対策次第です。
ペットのためにも、できるだけ対策してあげたいですよね。
ペット専用防ダニ製品や駆除製品の利用
ペットには、専用の防ダニ製品やダニ駆除製品などが販売されています。
ペット用の商品がたくさんあるので、どんどん活用していきたいですね。
マダニの対策
- 動物病院に連れていく
- ノミ・マダニ取りシャンプーを使う
- 専用ピンセットでとる
- ブラッシングする
草むらや森などに行かないこと。
草むらなどに行った場合や畑仕事をした後は、着替えやシャワーを浴びることが効果的です。
また、お散歩の後など、ペットにマダニが付いていないか、確認してあげてください。
万が一、マダニが付いていた場合、早急に除去してあげる必要があります。
病院ではなく、飼い主さんがとってあげた場合、マダニの処理は徹底的にしてくださいね。
ヒゼンダニの対策
- 家の掃除を徹底する。
- 定期的にバルサンなどで、ダニ駆除を行う。
- シャンプーやブラッシングも定期的に行う。
ヒゼンダニについては、通常のダニ対策で十分に対策できます。
特にペットがいるスペースは、念入りに掃除してあげてください。
ヒゼンダニの対策は、飼い主さんの対策次第になってしまいます。
疥癬は本当に痒くてつらい病気です。
ご自身のためにも、対策は忘れずにしていきましょうね。
人へうつらないダニ
マダニとヒゼンダニ以外のダニは、ペットから人、人から人へ移動することはあっても、感染の意味合いはありません。
家によくいるとされるダニは、チリダニやコナダニ、ツメダニです。
これらのダニは上記で紹介したような病気にはなりません。
しかし、人間もペットもうつらないダニでも皮膚炎やアレルギーの心配はあります。
また、全く人に被害が出ないダニもいます。
コンクリートに寄生しているタカラダニや植物に寄生しているハダニなどです。
とはいえ、ダニと聞くだけで全身が痒くなってしまいますよね。
うつらないダニでも、精神衛生上あまりよくないので、しっかりと駆除しましょう。
まとめ
マダニ被害や疥癬(かいせん)が疑われる場合は、早急に皮膚科を受診してください。
ペットや動物に噛まれたり引っ掻かれたときにも、マダニに感染しているなど、多くの感染症を持っている可能性があるため、受診をおすすめします。
受診を迷ってしまうときには、内科でも総合診療科でもいいので相談してみてください。
ペットの場合は、動物病院へ連れて行ってあげましょう。
マダニやヒゼンダニの対策は、常に意識する必要があります。
ダニの感染症にうつらないために、できることをしていきたいですね。
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