マダニの危険性について知りたい!
マダニによる感染症って何があるの?
マダニの予防法を知りたい!
目で見える大きさのマダニは服につく危険な虫です。
人間の服につくと移動して皮膚にたどり着き、血を吸って寄生します。
マダニのエサが動物の血液なので、血を吸ってお腹がいっぱいになるまで離れません。
ウイルスを持ったマダニに血を吸われると、感染症にかかってしまい重症化すると死んでしまうことも。
自分や家族に、マダニが寄生し、血を吸っているのを見つけたら不安ですよね。
マダニの予防策を知ることで、自分や大切な家族の身を守る方法がわかります。
ここでは命をおびやかすマダニの危険性と、マダニから身を守るための予防法を紹介します。
マダニについてちゃんと知らなかったかも。
どんな感染症があるのかしら……。
マダニ(害虫)の危険性について
- 【マダニによる感染症】致死率
- 【マダニによる感染症】死亡年齢
植物のあるところ草むらや湿気のある場所に、マダニはいます。
マダニは春から秋ごろにかけて活発に活動。
春から秋は行楽シーズンでお出かけしたくなる時期なので、山や川に行くとマダニに遭遇する確率もあがります。
マダニのいそうな場所に近づくと人間の服につき、皮膚に移動して血を吸うきっかけになります。
恐いのはウイルスを持っているマダニの場合、感染症を引きおこすことです。
実際に感染症にかかってしまった場合の致死率、死亡年齢についてお伝えしていきます。
【マダニによる感染症】致死率
感染症名 | 致死率(※致死率とは:ある病気による死亡者数をその病気の患者数で割った割合) |
---|---|
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐん) | 10~30% |
ダニ媒介日本脳炎 | 1~2% |
日本紅斑熱(にほんこうはんねつ) | 0.98% |
ライム病 | ※初期に治療することで改善傾向 |
マダニによるウイルスに感染すると、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症を引きおこすことがあります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、重症化すると死亡することもある恐い病気です。
重症化した場合の死亡率は10~30%になります。
(※死亡率とは:集団のなかで一定期間に亡くなった人の割合のこと)
残念なことにマダニによる感染症にかかった場合、現状では特効薬やワクチンなどがありません。
治療法は「病気に伴う症状を和らげる」または「症状を消すための治療」になります。
マダニによる感染症は、死亡につながる危険性もあるので、外出時はマダニに注意しましょう。
【マダニによる感染症】死亡年齢
感染症名 | 死亡年齢 |
---|---|
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) | 90%以上が60歳以上 |
ダニ媒介日本脳炎 | 特になし |
日本紅斑熱 | 主に60~80代 |
ライム病 | 特になし |
マダニによる感染症の死亡年齢を見ると60歳以上に集中。
高齢者がマダニの感染症にかかると、重症化しやすく死亡につながりやすい傾向です。
マダニは危険な虫ということが、わかってきますね。
次は、マダニの生態についても知ることで理解を深めましょう。
マダニの生態について
マダニの生態項目 | マダニについて |
---|---|
生涯サイクル | ・幼ダニ→若ダニ→成ダニと3回成長 ・生涯で成長に合わせて3回吸血する |
大きさ | ・吸血前:3~8ミリメートル ・吸血後:10~20ミリメートル |
生息場所 | ・主に森林や草地などの湿気のある屋外 ・身近な場所では、歩道の草むら、河川敷や公園など |
活動時期 | ・成虫:春から秋 ・幼ダニ・若ダニ:秋から冬 |
エサ | ・動物の血液(人、犬やネコなど) |
血を吸う理由 | ・幼ダニ・若ダニ:発育・脱皮のため ・成ダニ:産卵のため |
マダニは、3回の成長に合わせて人間や動物の血を吸います。
しかも、マダニの活動時期は1年中なので油断ができません。
マダニの活動が活発な時期の外出は、とくに注意が必要ですね。
マダニって公園や草むらなど身近な場所にも潜んでいるなんて恐いわ。
マダニによる主な4つの感染症について
感染症名 | 潜伏期間 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|---|
1.重症熱性血小板減少症候群(SFTS) | 6~14日 | 発熱、頭痛、消化器症状 (食欲低下、嘔吐、下痢など) | 対症療法 |
2.ダニ媒介脳炎 | 7~14日 | 発熱、頭痛、体の痛みなど | 対症療法 |
3.日本紅斑熱 | 2~8日 | 発熱、皮疹、倦怠感、頭痛、全身痛など | 抗菌薬 |
4.ライム病 | 3~32日 | 発熱、疲労感、悪寒、筋肉痛など | 抗菌薬 |
- 認知障害:記憶力の低下、判断と思考に関する能力の低下など
- 視覚障害:視力の低下、色の判別がつかなくなるなど
- 聴覚障害:音や音声が聞こえにくくなる、内容が聞き分けにくくなるなど
- 麻痺等 :運動機能の低下、体が思いどおりに動かなくなるなど
マダニによる感染症は、ウイルスを持っているマダニに血を吸われることで感染します。
マダニによる感染症は「インフルエンザ」や「ノロウイルス」のように人から人へ感染して広がるものではありません。
感染症は、発熱や頭痛などの症状や後遺症が残ったりする場合もあります。
マダニによる感染症は、重症化すると死亡することもある恐い病気です。
マダニに刺されたときに発症する「4つの感染症」について致死率の高い順に解説していきます。
【感染症】重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
:消化器症状や神経症状を起こす場合もある
重症熱性血小板減少症候群は、症状が発熱のほかに消化器症状(食欲低下、嘔吐、下痢など)や神経症状(意識障害、けいれんなど)などをおこします。
重症化すると、死亡することもあるので恐い病気です。
マダニに血を吸われていることに気づいたら、早めに病院を受診しましょう。
マダニは、身体の柔らかいところを探して血を吸うんですって!
【感染症】ダニ媒介脳炎:専門施設で診てもらう場合あり
ダニ媒介脳炎は、人から人に感染することはない病気です。
悪化すると脳に障害が出て、呼吸ができなることがあります。
重症化すると死亡することがある恐い病気です。
神経症状の悪化や全身状態の悪化がある場合は、専門施設でしっかり診てもらう必要がでてきます。
ダニ媒介脳炎にかかった3分の2の人たちは、
症状はないそうですよ。
【感染症】日本紅斑熱:急激な高熱のあとに全身に紅斑がでる
日本紅斑熱の発生時期は春~秋で、特に夏~秋かけて発生が多い傾向です。
症状は急激な高熱(38度~40度)のあとに全身に米粒大∼小豆大の紅斑がでると言われていて、かゆみはありません。
重症化すると死亡する恐い病気です。
【感染症】ライム病:治っても後遺症が残る恐れがある
ライム病は早い段階で治療すれば、合併症を予防できる可能性が高まるといわれています。
関節炎などの症状は、抗菌薬で原因菌を死滅させればほとんどの場合、関節炎は治まるそうです。
原因菌がいなくなった後も炎症が続くと、関節炎がしばらく治まらない場合もあります。
関節炎が治っても後遺症が残ることもあるので、しっかり治すには時間がかかりそうな感染症です。
歌手のジャスティン・ビーバーがライム病の後遺症の治療を受けているって聞いたわ、可哀そう……。
マダニ(害虫)による感染予防の対策3選
- 外出前の注意点:マダニから身を守る服装など
- 外出中の注意点:マダニのいそうな場所でのNG行動など
- 外出後の注意点:服についていないか払ってから家に入るなど
マダニは、人を刺して血を吸う害虫です。
マダニを介して感染症などを引きおこすため、外出するときは予防対策が大事。
マダニは洋服について人に寄生したり、肌が見えていると直接肌に付いて血を吸うこともあります。
外出のときのちょっとしたした工夫で、マダニを寄せ付けないように気を付けしましょう。
【外出前の注意点】マダニから身を守る服装など
「外出前」の注意点
✔ ディート剤の入った虫よけを使う
✔ サンダルなど肌が見えるものは控える
✔ 洋服の色は明るい色のほうが、マダニが付いたときに気づきやすい
✔ 長袖長ズボンなど、肌の露出を控える服装(帽子や手袋を着用し、首にタオルを巻くなど)
マダニがいそうな場所に出掛けるときは、服装にも注意を払いましょう。
洋服の色は黒系などを選ぶと、マダニが付いたときに気づきにくいので、明るめの色がおすすめです。
マダニが洋服に付いたときに、皮膚に到着しずらい目の細かい生地選びがポイントです。
目の細かい生地なら、
ポリエステルやナイロンなどの素材も良さそうね!
ディートが主成分の虫よけは、皮膚に対する刺激も弱く安全性が高いといわれてるよ。マダニよけにも効果があるよ。
【外出中の注意点】マダニのいそうな場所でのNG行動など
「外出中」の注意点
✔ 森を歩く際には、道から外れないようにする
✔ 虫除けスプレー(ディート剤)を携帯する
✔ 肌の露出部分には、虫よけスプレーをする
✔ 茂みや枝に接触しないように、道の真ん中を歩く
✔ 直接地面に座ったり、寝転んだりしないようにする
外出中はマダニが服や肌に付くことのないように、山や公園などに行ったときは植物に近づかないようにしましょう。
直接地面や石などに座ったときも注意が必要です。
落ち葉などにマダニが潜んでいることもあるので気を付けましょう。
夏などは汗で虫よけ剤が落ちてしまいやすいので、こまめに塗り直したりスプレーしたりすることが大切ですね。
レジャーシートなどの敷物を持っていけば直接地面に座る心配もないね!
【外出後の注意点】服についていないか払ってから家に入るなど
「外出後」の注意点
✔ 家にはいる前に、玄関で洋服を払う
✔ 帰宅後は早めに着替えるか、入浴して体をよく洗う
✔ 入浴後は新しい服に着替える
✔ マダニを見つけたときは、スプレー式殺虫剤で駆除する
外出から帰ってきたらなるべく早めの入浴で、マダニが付着していないか確認してみましょう。
マダニが付着していないか確認するときは、とくに「首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏」などがポイントです。
そして、玄関で洋服を払って家の中にマダニを入れないように注意しましょう。
もしマダニに刺された場合は、自分で無理やりとらずに最寄りの皮膚科や外科を受診しましょう。
無理にマダニを取ると、マダニの刺口が皮膚の中に残り感染症になる確率が高まるんですって!
まとめ
- マダニによる感染症では、重症熱性血小板減少症候群に感染すると致死率が10~30%と高め
- マダニによる感染症では、高齢になると重症化しやすく60代以上だと死に至る傾向がある
- マダニによる感染症は主に4つ【致死率の高い順】
①重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
②ダニ媒介脳炎
③日本紅斑熱
④ライム病 - 感染予防対策
・外出前、外出中、外出後にしっかり予防対策をする
マダニに血を吸われても、痛くもかゆくもないため自覚症状がなく気づきにくいと言われています。
マダニが洋服についたら、気づけるような色を選ぶなど工夫しながら、早期発見につなげて行きましょう。
マダニに血を吸われて2~3日するとマダニのサイズが大きくなり、寄生場所が炎症を起こしてきます。
皮膚のかゆみや違和感などが、50%くらいの人は感じるそうです。
ですが、1週間経過しても自覚症状がなく気づかない人もいます。
外出後は、服や肌にマダニがついていないかしっかり確認して、マダニの感染症から身を守っていきましょう。
コメント