ダニやハウスダストアレルギーの人に真綿布団が良いって本当?
真綿布団のメリット・デメリットは?
なるべくダニを抑えたい!真綿布団のお手入れ方法を教えて
こういった悩みにお答えします。
家庭内でダニやホコリの発生がもっとも多い場所の一つ・布団。
布団は、素材によってはダニやホコリが出やすく、アレルギー持ちの人にとっては布団選びが慎重になりますよね。
ダニ・ハウスダストアレルギー持ちの人におすすめの布団が、真綿布団です。
真綿は繊維が非常に長く、ホコリとなる糸くずが出にくいため、ハウスダストが発生しづらいのが特長。
今回は、アレルギー持ちの人に向けた真綿布団のメリット・デメリットなどを説明します。
また、ダニの発生をより抑えるための、真綿布団のお手入れ方法もご紹介します。
ちなみに真綿は絹(きぬ=シルク)のこと!
木綿(もめん=コットン)と間違えやすいから気を付けて。
【真綿布団のメリット3つ】ダニ・ハウスダストアレルギーやアトピーの人におすすめ!
- 長繊維の真綿布団は糸くずが出にくい
- 静電気が起きづらい真綿布団は肌に優しい
- 真綿布団は吸湿性・放湿性があり蒸れにくい
真綿布団の最大のメリットは、ダニ・ハウスダストアレルギーやアトピー持ちの人に良いことです。
理由は、真綿の素材はホコリを出しにくいということ。
ホコリには人の髪の毛やフケ、食べかす、ダニのフン・死骸などがありますが、とくに多いのは繊維ボコリなのです。
真綿布団は、布団の中でもホコリが出にくいことで知られています。
では、なぜ真綿はホコリが出にくいのかを説明します。
ダニはスプーン1杯のホコリに約500匹いるんだって!
長繊維の真綿布団は糸くずが出にくい
真綿は繊維が非常に長いため、ホコリとなる糸くずが出にくいのが特長です。
ホコリが出ないとなると、ダニとしては住みにくい環境になりますよね。
そのため、ダニ・ハウスダストアレルギーの人、喘息の人には、真綿布団がおすすめです。
真綿は、蚕(かいこ)がつくった繭(まゆ)を繊維にしたもので、長さはおよそ1200m~1500mにもなります。
糸くずが出ず、ホコリになりにくいのは、長繊維のおかげ。
ホコリになりにくい分、結果的にダニの発生率も下がるというわけです。
ちなみに、短繊維には綿や麻がありますが、繊維が短いためほどけやすく切れやすいのが特徴。
ほどけたり切れたりする分、ホコリは出やすくなってしまいます。
布団の出し入れ時によくセキが出てしまう人は、長繊維の真綿布団を試してみてはいかがでしょう。
蚕(かいこ)とは・・・
カイコは野生のガ(蛾)を人間が飼い慣らし、数千年かけて家畜化したものです。
より良い生糸を多く効率的にとることを目的に、品種改良を重ねてきました。
農研機構より引用
ハウスダストアレルギーについてはこちらの記事でも紹介しています。
静電気が起きづらい真綿布団は肌に優しい
真綿布団は、静電気が起こりづらいのも特長です。
静電気が起きづらく帯電性も低いので、ダニやホコリを寄せ付けません。
ホコリが出にくい上、ダニやホコリを寄せ付けないのは、ダニ対策にとてもうれしいポイントですね。
また、アトピー持ちの人にも真綿布団はおすすめできます。
真綿は、繊維がなめらかで肌ざわりが良いので、肌への刺激が少ないからです。
真綿の主成分は、アミノ酸から成るたんぱく質でできています。
真綿の成分は人の皮膚と近い成分をしているため、真綿は肌に優しいのです。
アトピー性皮膚炎の人や肌の弱い赤ちゃんの布団には、真綿布団が最適でしょう。
アトピー持ちの人はこちらの記事もおすすめ!
真綿布団は吸湿性・放湿性があり蒸れにくい
真綿布団は、吸湿性や放湿性があり、蒸れにくいのも特長です。
人の寝汗などで蒸れがちな布団は、ダニの住みやすい環境をつくってしまいます。
しかし、真綿布団は調湿機能により、快適な湿度を保ってくれるので防ダニができるといえます。
繭には、もともと適した温度や湿度を保つ機能があります。
蚕が快適に過ごすため、適温・適湿機能を持った素材で繭を作ったからなのです。
ダニの繁殖期である梅雨~夏場は、真綿布団でサラッと快適な睡眠が期待できますね。
蚕って快適な繭のお布団で寝てるんだね。
【真綿布団のデメリット3つ】使い続けるにはお手入れや値段が難点
- 真綿布団は水洗いできない
- 寿命が短くリフォーム代が高い
- 真綿布団は値段が高い
真綿布団は、「ホコリが出にくい」「静電気が起きづらい」「蒸れにくい」などのメリットがあり、ダニが発生しづらい布団だということが分かりました。
防ダニに適した真綿布団ですが、残念ながらデメリットもあるのです。
次は、真綿布団のデメリットを説明します。
優れている真綿布団でも、デメリットはあるものなのね…
真綿布団は水洗いできない
真綿布団は、基本的に水洗いができません。
真綿の特性上、水に浸すと縮んだり傷んだりしてしまうからです。
また、洗濯機で回すことで、中の真綿がよれてしまったり形が崩れたりもしてしまいます。
ご家庭での洗濯はしないほうが良いでしょう。
しかし、コインランドリーやクリーニングもおすすめしません。
実際、コインランドリーやクリーニング店によっては、真綿布団の洗濯をお断りしているところもあります。
デリケート素材の真綿ですから、洗濯は難しいのです。
真綿布団に対応しているクリーニング店に依頼すると、汚れもダニもキレイに丸洗いしてくれますよ。
また、洗える真綿布団も販売されています。
どうしても洗いたい人におすすめです。
洗い方は販売店でよく確認してくださいね。
寿命が短くリフォーム代が高い
一般的に、真綿布団の寿命は5年程といわれています。
同じ高級布団の羽毛布団が10〜15年程の寿命なので、それに比べると真綿布団の寿命は短めです。
真綿布団は、劣化していくと繊維が縮れていくので、布団がペラペラに薄くなってしまいます。
そうなったときは、布団の寿命。リフォーム(打ち直し)が必要です。
しかし、真綿布団は「打ち直し」ができません。真綿布団のリフォームは「引き直し」で直します。
打ち直しは、機械で古い綿を取り除くのに対し、引き直しは手作業で古い真綿を取り除いて引き直すため、大変な手間がかかります。
綿布団のリフォーム代は約1~2万円程ですが、真綿布団は数万円〜十数万円。
手間がかかる分、やはり他の布団のリフォームより若干お高めです。
まずは、専門店で見積もりしてもらいましょう。
新品を買うほうが安く済む場合もありますよ。
リフォームした真綿布団はピカピカ!
ダニもリセットされて清潔です。
真綿布団は値段が高い
真綿布団は高級布団なので、基本的に高価格です。
価格帯は、数万円のものから100万円以上のものまでと幅広くあります。
価格に幅があるのは、真綿の産地や作り方によって大きく変わってくるためです。
もっとも高価な真綿布団は、真綿のブランド・入金(いりきん)真綿や近江(おうみ)真綿を使った布団があります。
ブランド真綿を使い熟練した職人が手引きという手法で、真綿を一枚一枚引き延ばして作っているのです。
入金真綿や近江真綿は生産数が少なく、高品質なため値段は高くなってしまいますが、かなりの上級品。
高くても本物の布団でダニ対策したいという人には、おすすめです。
高級すぎて手が出ないという人には、中国産の真綿がリーズナブルです。
ダニの発生をより抑えるために!真綿布団のお手入れ方法3つ
- 陰干しをする
- 布団乾燥機と掃除機を使う
- ドライクリーニングをする
真綿布団のメリット・デメリットを説明しました。
真綿布団は基本的に水洗いできません。
日頃お手入れをしているかどうかが、真綿布団を長く使う秘訣です。
では、真綿布団のお手入れはどのようにしたらいいのか、ご紹介します。
陰干しをする
真綿布団は日干しでなく、陰干しが基本の干し方になります。
日光に当てると、紫外線により真綿の劣化が早くなるからです。
真綿は人の肌と近い成分でできています。
そのため、人の肌が紫外線を浴びるとシミやシワができるように、真綿も紫外線により成分が黄色く変色し、劣化してしまうのです。
真綿布団は蒸れにくい素材ではありますが、使い続けていれば、やはり湿気がこもりダニも発生してしまいます。
窓を開け、風通しを良くして換気しましょう。
もともと放湿性に優れていますから、湿気を逃がすだけでも充分。日頃のお手入れ方法として最適です。
ちなみに、布団は叩いてはいけません。
叩くことで、布団の中の真綿が傷んだり型崩れしたりしてしまいますので注意してください。
外に干すときは、シーツやカバーをかけると良いですよ。
布団乾燥機と掃除機を使う
長い雨が続く梅雨時期や干す場所がないときは、布団乾燥機と掃除機を使いましょう。
とくにじめじめした梅雨時期は、室内に干してもなかなか湿気が逃げませんよね。
布団乾燥機はダニ退治機能がついたものもありますから、乾燥とダニ退治がいっぺんにできて便利です。
また、乾燥させた後は掃除機をかけてください。
せっかく乾燥機でダニを退治したのに、ダニの死骸が残ったままになってしまいます。
布団乾燥機と掃除機はセットで真綿布団をお手入れしましょう。
ダニの死骸をそのままにしておくとアレルゲンになってしまいます。
最後までしっかり掃除をしましょう。
ドライクリーニングをする
真綿布団は水洗いができませんが、ドライクリーニングは可能です。
真綿は水に弱いので洗濯に対応していないクリーニング店が多いですが、ドライクリーニングならOKというクリーニング店もあります。
ドライであれば、水を使わないので劣化を防ぎつつ、布団の洗濯とダニ退治ができるので安心です。
なお、ご家庭の洗濯機のドライコースは水を使いますので、使用を控えてください。
クリーニング店のドライクリーニングは、水ではなく石油系の有機溶剤で洗うので、違いを覚えておきましょう。
真綿布団はデリケートな素材なので、基本的には専門店に任せたほうが良いです。
自己判断して、せっかくの真綿布団がダメになってしまったら台無しですからね。
「ドライ」の意味を間違わないようにしなきゃ。
日頃のダニ対策として、ダニ捕りシートを布団の中に入れておくのもおすすめです。
まとめ|真綿布団はダニアレルギーの人におすすめ
以上、真綿布団がダニ・ハウスダストアレルギーの人に適した理由をお話しました。
真綿布団のメリット・デメリット、お手入れ方法をまとめました。
- 長繊維の真綿布団は糸くずが出にくい
- 静電気が起きづらい真綿布団は肌に優しい
- 真綿布団は吸湿性・放湿性があり蒸れにくい
- 真綿布団は水洗いできない
- 寿命が短くリフォーム代が高い
- 真綿布団は値段が高い
- 陰干しをする
- 布団乾燥機と掃除機を使う
- ドライクリーニングをする
真綿布団は、ダニ対策に適した素材ですが、良質なゆえお値段が少々お高めです。
しかし、質と値段が見合っていると考えれば、納得できるのではないでしょうか。
また、お手入れすることはダニ対策をすることと同じ。
正しい方法でお手入れして、真綿布団を長く愛用してくださいね。
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