本を整理していたら、手や体がかゆくなってきた・・・。
咳や鼻水も止まらないんだけど、これってダニが原因?
本の正しい保管方法が知りたい!
こういった悩みにお答えします。
小説や漫画など、いつの間にか増えてしまいがちな本。
しばらく読んでいない本は、段ボールやクローゼットの棚などにしまっている人も多いですよね。
しかし、本の保管方法や場所によっては、ダニや虫を発生させる条件が揃いやすくなってしまいます。
本を正しく保管しないと「かゆみが止まらない」などのつらい症状が出てくるため危険です。
今回は、本に発生するダニ・虫が起こす被害についてや、本の正しい保管方法について解説していきます。
本をたくさん持っている人は、ぜひこの記事を参考にして大切な本をキレイに保管してくださいね。
本に発生するダニと虫が起こす被害
【本に発生するダニと虫が起こす被害】
アレルギーを引き起こす
本をボロボロにする
本に発生するダニと虫は、アレルギーを引き起こす可能性が高いです。
アレルギーの症状は、主に4つあります。
アレルギーの種類 | 症状 |
---|---|
アレルギー性皮膚炎 | 皮膚のかゆみ・湿疹 |
アレルギー性結膜炎 | 目のかゆみ・充血・目のゴロゴロ感 |
アレルギー性鼻炎 | くしゃみ・鼻水・鼻づまり |
気管支喘息 | 咳・呼吸困難 |
本を片付けている最中などに、「手や体がかゆくなった」と皮膚炎を起こした経験がある人が多くいます。
そのかゆみの原因は、アレルギー物質となるダニや虫の死骸(アレルゲン)を吸い込み、体が異物として反応しているから。
ダニや虫の死骸に含まれているタンパク質により、アレルギーが発症して手や体がかゆくなります。
またかゆみだけでなく、結膜炎・鼻炎・喘息などの症状も、ダニや虫によるアレルギー反応です。
本棚は掃除する頻度が少なく、アレルゲンが含まれたハウスダストがどんどん蓄積。
本を開いたり片付けたりなどして、蓄積されたハウスダストが一気に舞って吸い込んでしまうと、アレルギーが発症してしまうのです。
さらに、紙を好んで食べる虫もいるため、本の表紙やページをボロボロにしてしまう可能性もあります。
本だけでなく、障子や畳にまで穴をあけてしまうことも・・・。
本に発生したダニや虫を放置しておくと、大量に繁殖して被害はどんどん拡大してしまいます。
被害を防ぐためにも、本にダニや虫が発生した場合はすぐに適切な対処をすることが大切です。
そもそもどんなダニ・虫が発生するの・・・?
次に、本に発生するダニと虫の種類についてご紹介します。
本に発生するダニと虫の種類
- チリダニ
本に発生する虫の種類
- チャタテムシ
- シミ
- シバンムシ
本に発生するダニは、チリダニ(ヒョウヒダニ)がほとんどです。
また、本に発生する虫は「チャタテムシ」「シミ」「シバンムシ」の3種類が代表的。
それぞれが起こす被害も違い、見た目の特徴も全く異なります。
本に発生するダニと虫の生態・被害について、詳しくご紹介していきます。
チリダニ
大きさ | 体長:約0.2~0.4mm |
見た目の特徴 | ・乳白色 |
エサ | ・カビ ・ホコリ ・髪の毛やフケ ・食べカス |
好む環境 | ・温度20~30℃ ・湿度60~80% ・ホコリがある場所 |
被害 | ・死骸やフンがアレルゲンになる |
チリダニは、家の中に発生するダニの8割以上を占めるほど、ホコリがある場所ならどこにでも発生します。
ハウスダストの中に含まれているダニも、ほとんどがチリダニです。
チリダニの死骸やフンは、鼻炎や喘息などのアレルギーを引き起こす原因になります。
また、繁殖しやすい環境が整った場所では大量に繁殖し、チリダニがいなくなることはありません。
チリダニが繁殖しやすい環境になるのは、以下の3つが原因です。
- ホコリやハウスダストが溜まりやすい
- 湿気が溜まりやすい
- ダニのエサがある
本棚は掃除の頻度が少ないため、ダニが繁殖しやすい環境が整っています。
日頃の掃除で見落としがちな本棚ですが、定期的に掃除をしてホコリを取り除くことが大切です。
チリダニの大きさは、約0.2~0.4mmと目で確認するのはほぼ不可能。
もし本を開いた時に目で確認できる虫がいたなら、ダニ以外の虫を疑いましょう。
チャタテムシ
大きさ | 体長:約1~2mm |
見た目の特徴 | ・淡褐色 ・頭が大きめ ・ダニと間違いやすい |
エサ | ・カビ ・ホコリ |
好む環境 | ・高温多湿 ・暗い場所 ・狭いすき間 |
被害 | ・死骸がアレルゲンになる ・大量繁殖しやすい ・ツメダニを呼び寄せる |
チャタテムシは姿からよくダニと勘違いされやすいですが、目に見える大きさです。
本に発生する場合は、ページとページの間によく潜んでいます。
本を開いた時にページの上をすばやく動く虫がいたなら、チャタテムシの可能性が高いです。
また、チャタテムシはカビとホコリを好んで食べるため、ホコリがありカビが繁殖しやすい場所にも発生します。
さらに狭い場所も好むので、狭くてホコリ・カビがある場所では大量に発生してしまう可能性も。
もしチャタテムシが大量に発生してしまった場合、チャタテムシをエサとする「ツメダニ」を呼び寄せてしまい、さらに被害が広がります。
ツメダニは、人を刺してかゆみや皮膚炎の症状を引き起こすダニです。
ツメダニによる二次被害を起こさないためにも、チャタテムシが発生しにくい環境をつくることが大切。
チャタテムシは人に直接被害をあたえませんが、チャタテムシの死骸を吸い込むことでアレルギーを発症させるリスクが高まります。
チャタテムシは漢字で「茶立虫」と書きます。
由来は、茶せんでお茶をたてる時の音に似た音を出すためと言われています。
シミ
大きさ | 約1cm |
見た目の特徴 | ・平べったい ・鱗片(りんぺん)に覆われている ・魚のようにクネクネ動く ・2本の触覚に、3本の尾毛(びもう) |
エサ | ・紙や本の装丁 ・本や障子の付けのり |
好む環境 | ・高温多湿 |
被害 | 本の表面を食べる |
シミは、見た目が特徴的な虫です。
平べったく鱗片(りんぺん)に覆われた体に、魚のようにクネクネとすばやく動く虫・・・。
その見た目の気持ち悪さから、不快害虫としても知られています。
シミは紙類を好んで食べるため、本・掛け軸・段ボールなどに発生しやすいです。
また、高温多湿を好むため、押し入れ・お風呂・トイレなどで発見されることもあります。
シミも人に加害しない虫ですが、寿命が7~8年ととても長いので、家の中にずっと居続けてしまうことも。
シミが本に発生した場合は、本の表面を食べてしまいますが、穴をあけるような大きな被害はありません。
そのため数匹程度の発生だと、問題視せずにシミを放置している人もいます。
シミは漢字で「紙魚」です。
見た目が魚に似ていて、紙を食べることから名づけられたそう。
シミの鱗片がキラキラして見えるので、欧米では「シルバーフィッシュ」とかっこいい名前が付けられています。
シバンムシ
大きさ | 体長:約2~3mm |
見た目の特徴 | ・赤褐色、または茶褐色 ・カブトムシのメスのような形 |
エサ | ・紙 ・乾燥した植物質のもの (畳、ドライフラワーなど) ・乾燥食品 (粉類、お菓子、ペットフード、乾麺など) |
好む環境 | 22~30℃の温度 |
被害 | ・本を食べる ・食害 ・アリガタバチを呼び寄せる |
シバンムシは本だけでなく、食品や建材にも加害する虫として知られています。
見た目は、カブトムシのメスのようにコロンと丸い形をしているのが特徴的。
家の中に発生する場合は、食品・ドライフラワー・畳などを好んで食べます。
また噛む力も強いので、畳に小さな穴があいていたり食品の袋が破れていたりする場合は、シバンムシを疑いましょう。
その他にもシバンムシは食性が広くなんでも食べるため、被害が拡大しやすいです。
本に発生した場合は、トンネルのように穴をあけて紙を食べるので、本がボロボロになってしまうこともあります。
さらにシバンムシが大量に発生すると、人を刺す「アリガタバチ」を呼びよせてしまうため、二次被害にも注意が必要。
シバンムシを見つけた場合は、すぐに発生原を特定して繁殖を防ぐことが大切です。
シバンムシは漢字で「死番虫」。
「コチコチ」とシバンムシが出す音が、「死神の持つ時計」を連想させることから名づけられています。
漢字で書くと、とても不気味な虫です・・・。
本にダニと虫が発生した場合の対処法3つ
- ダニや虫を殺虫剤で駆除する
- 大量に繁殖している場合は、発生原を特定する
- 本を天日干しする
本に発生したダニや虫は、繁殖を防ぐためにすぐに駆除しましょう。
駆除方法は、殺虫剤を使うのが1番効果的です。
殺虫剤を使用する際は、本をビニール袋に入れておくのがおすすめ。
ビニール袋に入れた本に直接スプレーすると、ダニや虫が逃げたり死骸が落ちたりすることもありません。
もし何度も虫を見かけた場合は、大量に繁殖している可能性が高いので、すぐに発生原を特定して駆除してください。
またダニや虫は乾燥を嫌うため、本を天日干しして乾燥させるのも効果的。
さらに、ダニや虫を退治するだけでなくカビの予防にもつながるので、定期的な天日干しが望ましいです。
天日干しする際は、直射日光に当てると本が日焼けしてしまうので、必ず日陰で行いましょう。
本にダニや虫が発生しても、すぐに適切な対処をするとダニや虫は繁殖することはありません。
虫を発見してしまうと、驚いて本を投げ飛ばしたくなるかもしれませんが、落ち着いて対処してくださいね。
本をキレイに保管する4つの方法
- 保管場所は、通気性がいい場所を選ぶ
- 収納ケースに入れて保管する
- 本の収納場所を定期的に掃除する
- 本は立てて収納し、スペースにゆとりをもたせる
よく本を購入する人は、いつの間にか本が増えてしまっていますよね。
気づけば増えてしまいがちな本ですが、しっかり保管するとキレイな状態のままを維持できます。
ここでは、本をキレイに保管する4つの方法をご紹介します。
本をキレイに保管すると、ダニや虫の発生を予防できますよ!
保管場所は、通気性がいい場所を選ぶ
本の保管場所は、湿気がこもりにくく通気性がいい場所を選びましょう。
本の保管に適した湿度は、40~60%。
湿度が60%以上になると、カビやダニの発生率を高めてしまいます。
さらに本は湿気を吸収する紙でできているため、湿気を吸収してしまうと本が変形することも。
そのため、通気性がよく湿気がたまりにくい場所が適しています。
部屋の中の湿度が高い場合は、除湿器を使って湿度を下げたり、本と乾燥剤を一緒に保管するのもおすすめです。
収納ケースに入れて保管する
本を収納する方法は、本棚以外にも収納ケースにいれて保管する方法があります。
本を収納ケースに入れて保管すると、ホコリ対策にもなるのでおすすめの方法です。
しかし、収納ケースに入れた本を何年も放置してしまうと、ダニや虫が好む環境になることも。
そのため、あまり読まない本を収納する際は、防虫剤を一緒に入れておきましょう。
また本にホコリがついたまま入れるのは、ダニや虫、カビが発生する原因になります。
本を収納ケースに入れる前に、必ず本のホコリを取っておくのがポイントです。
本の収納場所を定期的に掃除する
ダニや虫の発生を防ぐためにも、本の収納場所を掃除をしてキレイに保つことがとても重要になります。
本にダニや虫が発生するのは、ホコリやカビなどが多くなっている証拠です。
ホコリがたまりやすい本棚は、こまめに掃除してホコリを取り除きましょう。
さらに、月に1度アルコールで拭き掃除をすると、本棚をより清潔に保てます。
また収納ケースに保管している場合も、定期的に本を取り出し拭き掃除をするだけで、キレイな環境を維持できますよ。
本は立てて収納し、スペースにゆとりをもたせる
本は、まっすぐ立てて保管するのが理想的です。
よく本を平積みして放置している人もいますが、下にある本に圧力がかかってしまいます。
本に圧力がかかると、本が歪んでしまったり表紙同士がくっついて破れてしまったりする原因に。
また本を立てて収納する際に、本と本の間に余裕がないほど詰め込むのも圧力がかかるためNGです。
逆にスペースが余ってしまう場合はブックエンドを利用し、本をまっすぐ立てて保管するようにしましょう。
もう読まないとわかっている本は、収納するよりも思い切って手放すのも1つの方法です。
読まない本を買取に出すと、次に購入する人が大切に保管してくれるはずですよ。
まとめ|ダニと虫から大切な本を守ろう!
- 本に触れると「かゆい」のは、ダニと虫が原因
- 本に発生するダニや虫は、アレルギーを発症させる
- 本に発生する「シミ」と「シバンムシ」は、本を食べてしまう
- 本にダニや虫が発生した場合は、すぐに駆除する
- 本は正しい方法で保管すると、キレイな状態を保てる
本に触れるとかゆみが発症するのは、ダニと虫によるアレルギー症状です。
本に発生する虫はアレルギーだけでなく、本をボロボロにしてしまう原因にもなります。
ダニや虫を発生させないためには、キレイな環境で本を保管することが大切。
また本も正しい方法で保管すると、キレイな状態のままを維持できます。
大切な本をダニや虫から守るために、この記事を参考にしていただけたら幸いです。
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