なぜダニは人の血を吸うの?
ダニの感染症とか心配だけど大丈夫かな?
ダニが身体に付着したらどうしたらいいの?
こういった悩みにお答えします。
ダニはウイルスを持っていた場合、人や動物に媒介して感染する恐れありです。
感染と聞くと怖いですよね。
ダニの中でも人間や動物の血を吸うダニは、主にマダニ。
マダニは、人間や動物の「血を吸う」チャンスを狙って身近な場所に潜んでます。
マダニに血を吸われたあと、発熱などの症状があった場合は感染した可能性が高いです。
感染しないためにも、マダニが身体に付着しているのを発見したらなるべく早く取り除きたくなりますよね。
この記事では、マダニ、イエダニ、トリサシダニが人間や動物の血を吸う理由やマダニによる感染症、マダニの取り方についても紹介しています。
人の血を吸うダニは3種類
- マダニ
- イエダニ
- トリサシダニ
人の血を吸うダニは、「マダニ」「イエダニ」「トリサシダニ」の3種類です。
いちばん身近にいるダニは「マダニ」になります。
マダニは山や草むら、家のお庭や公園などに潜んでいるのです。
飼っている犬と散歩に行くときや、山に散策に出かけるときや公園で遊んでいるときなどは、マダニが気配を察知しタイミングを狙って犬や人間に付着します。
私たちの身近にいるマダニ、要注意しないとですね。
マダニ
マダニの特徴 | |
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寄生先 | 犬 |
時期 | 春から秋 |
大きさ | 3ミリメートル~8ミリメートル (吸血後:1センチメートル~2センチメートル) |
マダニは、主に犬に寄生して血を吸っています。
公園や草むらなど身近な場所に潜んでいるのです。
私自身、愛犬を散歩に連れて行くと草むらなどによく顔を突っ込んでクンクンしています。
草むらに顔や体が入っているときは、マダニに要注意です。
マダニは草の葉などで待機して葉から落ちるようにして動物や人間にピタッと付着。
愛犬を散歩するときは、公園の草むらや道の途中の草むらなどマダニに遭遇する可能性が高いのでなるべく避けて散歩をしたいですね。
散歩から帰ったら、愛犬はブラッシングしたりすると早期発見につながりますよ。
自分自身も家に入る前に服の上から手で払うなどして家に持ち込まないように気を付けることが大事です。
イエダニ
イエダニの特徴 | |
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寄生先 | ネズミ |
時期 | 6〜9月 |
大きさ | 0.7ミリメートル~1ミリメートル |
昔は家にネズミが当たり前のようにいて、そのネズミに寄生するダニがイエダニと呼ばれていました。
家に寄生することから「イエダニ」と呼ばれていたそうです。
そして、イエダニはその寄生しているネズミが死ぬと新たな寄生先を求めます。
つまり、次のターゲットは人間です。
ネズミがいない場合は、イエダニに血を吸われる心配はなさそうですね。
トリサシダニ
トリサシダニの特徴 | |
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寄生先 | 鳥 |
時期 | 5月~7月 |
大きさ | 0.7ミリメートル~1ミリメートル |
主に野鳥、飼鳥など、人間以外の動物の血を吸っています。
鳥などの動物がいなければトリサシダニは見つかることはありません。
ですが、家の軒下、雨戸、換気扇、ベランダ、などにスズメやムクドリなどの野鳥が巣を作っていいる場合があります。
野鳥の巣があった場合ヒナが巣立ち、空き巣になるとトリサシダニが這い出てきて人の血を吸うので注意が必要です。
もし、見つけたら駆除することで人間の血を吸う可能性も低くなり安心できます。
ダニが血を吸う理由を解説
マダニが血を吸うのは、血液が栄養源だからです。
マダニにとって人間や動物の血を吸うことは、マダニ自身が成長していくためと産卵のため。
マダニは、生きている間に血を吸うのは、なんと3回だけなんです。
生まれて幼ダニの時に1回目。2回目は脱皮して、若ダニになってから。
そして成ダニになって3回目の吸血をして、産卵してから死にます。
マダニの寿命は1年~3年で、メスのマダニは生涯で数千個の卵を産むそうです。
- マダニの血を吸う3サイクル:幼ダニ⇒若ダニ⇒成ダニ
- 吸血期間:約1~2週間
- 成長方法:吸血と脱皮を繰り返す
卵の数がものすごく多くて、びっくりしますね。
マダニによる感染症4選
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群[じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐん])
- 日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
- ライム病
- ダニ媒介脳炎(ダニばいかいのうえん)
マダニに血を吸われると、マダニの体内に潜んでいた菌やウイルスなどの病原体に感染してしまいます。
ペットの犬や猫についたダニが飼い主さんにも感染するということ。
感染すると治療が難しく、命に関わるなど重症化する恐れもあるので注意が必要です。
感染症1:SFTS(重症熱性血小板減少症候群:じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐん)
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の特徴 | |
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症状 | ・発熱、消化器症状(嘔気[おうき:吐き気の前の不快な感覚]、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主張とし、ときに、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹[りんぱせつしゅちょう]、出血症状などを伴う。 |
潜伏期間 | ・潜伏期間:6~14日 |
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主に病原体を持っているマダニに血を吸われることで感染するダニ媒介感染症です。
発症しても軽度な症状で済めば良いのですが、SFTSは致死率が高く20%超えの結果がTBS NEWS DIGより出ています。
しかも、SFTSは治療薬がなく症状を和らげたり、なくしたりするしかできないようです。
草の多い畑や公園などマダニがいそうな場所に行く場合はマダニに血を吸われないように予防することが大事。
肌を覆うような長袖や長ズボンを着用してマダニに肌に付着しないように注意が必要ですね。
感染症2:日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
日本紅斑熱の特徴 | |
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症状 | ・頭痛、発熱、倦怠感を伴う |
潜伏期間 | ・2~8日 |
日本紅斑熱は、病原体のリケッチアを持っているマダニに血を吸われることで感染します。
リケッチケアとは、細菌より小さくウイルスより大きい微生物のことです。
(大きさ:ウイルス<リッチケア<細菌)
厚生労働省のサイトからも国内でも年間200件超の発生が報告されていて死亡者も報告されている。
発熱、発疹、刺し口が主な日本紅斑熱の可能性が高い前触れの症状です。
刺し口の中心のかさぶたが部分が小さいのが特徴です。
日本紅斑熱はワクチンで予防することができません。
虫除けスプレーや、マダニがいそうな草むらを避けるなど、自己対策をしましょう。
感染症3:ライム病
ライム病の特徴 | |
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症状 | ・発熱や全身性痙攣(ぜんしんせいけいれん)、起立不能、歩行異常などが単独または重複して現れます ・マダニに咬まれた部位に赤色の丘疹(きゅうしん)が生じ、環状(かんじょう)に紅斑が広がっていきます。この紅斑はゆっくり拡大して、中心部の色が抜けるのが特徴です |
感染初期 | ・遊走性紅斑(ゆうそうせいこうはん)と呼ばれる特徴的な症状があります |
潜伏期間 | ・3~32日 |
ライム病はマダニが血を吸うことで細菌(スピロヘータ)による感染する感染症です。
日本では、特に北海道や長野県で発生が厚生労働省の関西空港免疫所より報告されています。
ライム病の感染が多い時期は夏か秋の初旬。
ライム病に感染すると、細菌が血液に侵入して皮膚や心臓、神経系、関節など、他の臓器に広がることもあるそうです。
ダニが1日半以上付着したままだと、ライム病に感染するといわれていてびっくり!
感染症4:ダニ媒介脳炎(ダニばいかいのうえん)
ダニ媒介脳炎の特徴 | |
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症状 | ・発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などの非特異的(ひとくいてき)な症状で発症し、振戦(しんせん)、痙攣(けいれん)、麻痺、意識障害などのウイルス性脳髄膜炎(のうずいまくえん)の病態へ進行する ・ヨーロッパ亜型での感染の場合、血小板減少や白血球減少を伴う発熱後、数日間の無熱期を経て、白血球数正常から軽度の上昇を伴う髄膜脳炎となり二相性の経過をたどる |
潜伏期間 | ・2日~28日(通常:7日~14日) |
ダニ媒介脳炎は、フラビウイルスによる感染症です。
日本での発生は、2022年2月現在の報告が国立感染症研究所よりされています。
国内ではあまり知られていなく、1993年以降に北海道で5件の発生が確認。
ダニ媒介脳炎に感染した場合、ワクチンもなく治療法もないのでマダニに咬まれないように予防と対策がとても大切になりますね。
人の血を吸うマダニを取り除く方法4選
- ティックピンサー
- ティックツイスター
- ワセリン法
- 病院へ行く
マダニを取り除くための道具を使った方法や、塗り薬などをご紹介します。
以前、愛犬と散歩して帰宅後にブラッシングをしていたら愛犬の毛の上をカサカサ移動しているマダニを発見して驚いた経験がありました。
毛の上を移動中だったのでブラッシング時に捕獲。
愛犬に着いたマダニを見つけたときは、マダニ除去グッズを準備しておく必要性を感じました。
マダニがいそうな場所に行くときには、マダニ対策としてマダニ除去グッズを持参するといざというときに慌てる心配もありません。
特に犬や猫などのペットを飼っている方は、お散歩バックに常備しておくと安心ですね。
方法1:ティックピンサー
ティックペンサーは、手を触れずにカプセル部に確保して取り除くことが出来るお手軽な道具です。
マダニに対して電気ショックで神経系を麻痺させることができるので取り除きやすくなります。
愛犬の散歩中や公園や山などマダニが潜んでいる場所に出掛けるときは、もしもの時に準備しておくと安心です。
方法2:ティックツイスター
ティックツイスターは、マダニが肌に付着して血を吸っているときに使う器具です。
ティックツイスターは、肌にマダニが刺している口が残らず安全に取り除くことができます。
ペットにも使えて、ペットの場合には毛とマダニのあいだに挟み込んでクルクルと回転させるだけでマダニを取り除くことが可能。
肌にマダニの口が残ることがないので、衛生面での不安も解消できる頼もしい商品ですね。
方法3:ワセリン法
血を吸っているマダニごとワセリンをかぶせてしまいます。
そして、そのままの状態で30分ほど放置。
マダニを窒息死させてからピンセットやガーゼなどで拭き取って、マダニをとりのぞきます。
窒息死しているので、簡単にとることが可能な便利グッズ。
マダニが付着して1~2日以内であれば有効な方法です。
方法4:病院へ行く
マダニを取るアイテムがなかったり、ワセリンがないときは、病院に行きましょう。
マダニが人の血を吸っているとき、口が皮膚に強く食い込んでいます。
無理に指や手で振り払って取れても口器が皮膚に残ってしまった場合、皮膚炎を起こす場合があるので要注意です。
それにマダニは病原体を持っていることがあるので、マダニに血を吸われたときはその病原体に感染する心配もあります。
マダニに血をすわれたときは、感染症の症状の可能性があるのですぐに皮膚科の受診をしてくださいね。
まとめ
- マダニは、成長のためと産卵のために人間や動物の血を吸います。
- マダニは、病原体を持っていた場合は感染する可能性が高いです。身体に付着しているのを見つけたらなるべく早く取り除きましょう。
- マダニがペットや自分の身体に付着していたら、自分でも取り除けます。
マダニのいそうな場所に出掛け、愛犬や自分自身に付着しているのをみつけたら早く取り除くことが先決です。
マダニに血を吸われたら、感染する可能性が時間が経てばたつほど高くなります。
マダニに感染する確率を減らすためにも、すぐに対処できる除去グッズなど準備しておくと安心ですね。
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