「デモデクス」ってそもそもなに?
スキンケアでも話題になっているけど大丈夫なの?
なにかいい対策方法はないの?
こういった悩みにお答えします。
デモデクスとは、顔ダニ(ニキビダニ)のことです。
生まれたての赤ちゃん以外、ほとんどの人の顔にデモデクスがいます。
デモデクスが繁殖しすぎると肌に炎症がおきたり、ニキビなど吹き出物ができてしまいます。
顔は番目立つ場所なので、キレイな肌を守りたいですよね。
そこで、デモデクスの詳しい説明と対策について紹介します。
デモデクスについて理解できると、ご自身にあった対策がみつかります。
デモデクスは「顔ダニ」や「ニキビダニ」の学名
デモデクスは、「顔ダニ」「ニキビダニ」「毛包虫(もうほうちゅう)」とも呼ばれています。
学名が、Demodex(デモデクス)といいます。
ニキビダニや顔ダニともいわれていますが、全身に生息しています。
皮脂の多いところを好むため、皮脂分泌が多い顔や頭に集まるようです。
デモデクスは、2種類のタイプに分類されますが、若干大きさが異なり、生息場所が異なるだけで形状などに違いはありません。
デモデクスプレビス | デモデクスフォリキュロラム | |
大きさ | 小さめ 約0.15~0.2mm | 大きめ 約0.3~0.4mm |
生息場所 | 皮脂腺の浅い部分 | 毛根 |
卵から成虫になり、死ぬまで約14日。
大きさは0.15~0.4mm程度で、普通の人でも200万匹顔にいるそうです。
一つの毛穴で5~6匹生息しているのが驚きですよね。
また、デモデクスは夜行性のため、夜中に毛穴から出てきて肌の表面を動きます。
夜中に自分の顔をおびただしい数のデモデクスが徘徊していると思うと、恐ろしいですよね。
でも、デモデクスは皮脂の量をコントロールしてくれる存在のため、そんなに怖がる必要はありません。
上手にデモデクスと付き合っていく必要がありそうですね。
デモデクスが原因になる皮膚炎など
- ニキビ
- 酒さ(しゅさ)
- アトピーなどのアレルギー
デモデクスが異常に繁殖してしまうと、それが原因で皮膚炎を発症することがあります。
デモデクスによる皮膚炎については、皮膚科医でも判断が難しいそうです。
ニキビ
デモデクスの死骸や排泄物により、毛穴が塞がることでニキビになることもあります。
ニキビの内部を見るとデモデクスが出てくることがよくあるそうです。
これを防ぐためには、まずは正しく洗顔することが必要です。
シミ、シワ、乾燥など肌トラブルの原因の一つともいわれています。
繁殖しすぎないように注意したいですね。
酒さ
酒さとは、鼻や頬、あごなどが赤くなる病気です。
発症するきっかけの一つに、デモデクスが関係するとかんがえられています。
初期症状は、赤みが目立ちます。
症状が進行すると、毛穴が小さく盛り上がってきます。
男性に起こりやすい症状として鼻が盛り上がる症状もありますが、日本人では少ないようです。
また、皮膚の火照りやぴりぴりする軽い痛みを感じることもあるようです。
皮膚以外の症状としては、目の乾燥や充血など目に影響がでる人もいます。
アトピーなどのアレルギー
アトピーや喘息などダニアレルギーがある人は、デモデクスにも注意が必要です。
増殖してしまったデモデクスは、ダニアレルギーを持つ人にとっては害虫と同じです。
アトピーなどの肌トラブルだけでなく、デモデクスの死骸や排泄物により、喘息や鼻炎まで引き起こす原因にもなります。
肌トラブルや喘息、鼻炎の症状が併せて出た場合は、受診する科でしっかりと全身の症状を申告することが大切です。
そうすることで原因を早く突き止めることができ、症状の早期改善につながります。
デモデクスは洗顔やメイクで対策できる
- 洗顔
- メイク
- その他クリームなど
デモデクス対策として販売されているスキンケア商品もでています。
上手にデモデクスと付き合っていくためのサポートとして、用量や使用方法を守って使用してください。
洗顔
デモデクスの繁殖を防ぐには、きちんと洗顔することが大切です。
洗顔はスキンケアの基本。
汚れと一緒にダニもすっきりさせたいですよね。
メイクの落とし残しは大敵です。
クレンジングをした後は洗顔料で洗い、すすぎをしっかりしてください。
デモデクスのエサとなる皮脂汚れなどをきちんと落として眠ることで、余分な繁殖を防ぐことができます。
朝の洗顔も、寝汗などをかいているため汚れがべっとりです。
しっかりと洗顔しましょう。
でも、洗いすぎは要注意。
朝晩の2回、しっかりと洗うだけで十分です。
メイク
デモデクスが増殖してしまう原因の一つに、メイクの濃さが関係する場合があります。
厚いメイクは、デモデクスの温床となりやすい状態です。
- メイクで毛穴を塞いでしまう。
- 皮脂が抑えられてしまい乾燥する。
- 皮脂を分泌しようとして毛穴がつまる。
メイクを薄めにして、毛穴をふさがないようにすることが大切です。
また、スキンケアを選ぶときにも殺菌効果のあるものを選ぶことをおすすめします。
- 紫根(しこん)は、漢方薬としても使われます。
抗菌活性の効果を持つので、脂性肌の人におすすめです。 - フィトンチッドは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質です。
殺菌効果が高く、デモデクス対策に最適です。
ハーブを含むスキンケア用品にも殺菌効果があります。
もちろんデモデクスに対しても繁殖予防の効果大です。
その他クリームなど
吹き出物の治療薬やクリームを使う際にも塗り方に注意が必要です。
就寝前にクリームをたっぷり塗ると、就寝中の皮脂や汗がクリームと混ざり酸化します。
これこそデモデクスのエサとなります。
薄めに塗り、肌にしっかりなじませることで、顔ダニの繁殖を防ぐことができます。
クリームはついついたっぷりと塗りたくなってしまいますよね。
でもそのせいで皮膚炎を起こす可能性があることにびっくり。
男性のスキンケアにもつけすぎは要注意です。
女性よりも手が大きい分、たっぷりとクリームなどを出しがち。
さらにべっとりとつけてしまわないように調整してくださいね。
ペットや家畜のデモデクス被害と対策法
デモデクスが原因で、ペットや家畜にも影響が出る場合はあります。
毛包虫症と呼び、犬や牛、豚でも発症します。
実際に毛包虫症を発症した写真がこちらです。
脱毛をはじめ、皮膚が黒く変色したり膿疱(のうほう)と呼ばれる水膨れの症状が現れます。
全身が毛で覆われているペットや家畜は、目や口回りなどの顔だけでなく、全身に被害がでます。
治療にはイベルメクチンを使用します。
膿皮症が併発している場合は抗菌薬も使用します。
いずれにしても、獣医の診察が必要になります。
ペットや家畜も症状は比較的わかりやすいですね。
猫はかかりにくいとされていますが、犬には多いようです。
注意してあげたいですよね。
まとめ
デモデクスは、顔ダニやニキビダニともよばれており、ほとんどの人の顔に生息しています。
皮脂や汚れを食べてくれることで、肌の状態をコントロールしてくれる役割もあるため、上手に付き合っていくことが大切です。
しかし、異常繁殖してしまうと、皮膚の炎症や喘息や鼻炎などアレルギーの原因になることもあります。
症状がひどい場合には、病院の受診をおすすめします。
そうならないために、皮膚を清潔に保てるように洗顔の徹底と正しいスキンケアやメイクをしましょう。
お子様は汗をよくかきます。
まだ小さい場合は、しっかりと汚れを落としてあげることも大切ですよ。
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