犬につくダニの種類が知りたい!
犬につくダニの種類によって対処法や予防策って違うの?
犬につくダニの種類は4種類です。
犬を飼っていると、犬につくダニがどんな健康被害もたらすのか不安になりますよね。
ダニは、犬に寄生して主に皮膚のトラブルを引き起こす害虫です。
ほかにも、ダニの中には犬にウイルスを運び感染症を引き起こすこともあります。
犬が健康で元気に過ごせるように、4種類のダニについて知っておきましょう。
犬につく4種類のダニの対処法や予防策を知れば、愛犬の健康を守ってあげることにつながります。
それぞれのダニについての対処法や予防法もくわしくお伝えします。
犬につくダニは4種類
ダニの種類 | 大きさ | 犬への寄生場所 | ダニの生息場所 |
---|---|---|---|
マダニ | ●血を吸う前:3~8ミリメートル ●血を吸った後:10~20ミリメートル | 目、耳、鼻のまわり 胸部内、またの辺り おしり(肛門)まわり | ・森、山など、植物があるところ ・公園、河川敷や草むらなど |
ヒゼンダニ | 0.4ミリメートル | 耳、お腹、ひじ、ひざ | ・顔、耳、ひじ、ひざ、お腹などの比較的毛の少ない場所 |
耳ダニ(ミミヒゼンダニ) | 0.3ミリメートル | 犬の耳の中に寄生 | ・主に耳 |
ニキビダニ | 0.2~0.3ミリメートル | 目、口周りや前足の足先に寄生 | ・犬の皮膚の毛穴内 |
犬につくダニは4種類です。
ダニによって大きさ、犬に寄生する場所、生息するところには違いがあります。
犬をダニから守るために、まずは犬に健康被害を及ぼすダニについて知ることから始めましょう。
犬につくダニ【ダニの種類別:症状と原因】
ダニの種類 | かゆみ | かさぶた | 皮膚に フケ | 毛が 抜ける | 耳に症状 | その他 | 原因 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
マダニ | △ (無症状な場合あり) | ・貧血 ・感染症など | 外出時に草むら、 湿気のある場所で犬に寄生 | ||||
ヒゼンダニ | ◎ (激しい) | 〇 | 〇 | 〇 | ・皮膚に赤みなど | すでに感染している犬や他の動物との接触 | |
耳ダニ (ミミヒゼンダニ) | ◎ (激しい) | 〇 | ・大量の耳垢がでる | ドッグラン、 多頭とのふれあいなど | |||
ニキビダニ | 〇 (強い) | 〇 | 〇 | 免疫力の低下など |
ダニによって、犬の症状や原因の違いもさまざまです。
この記事ではダニが犬への健康被害の危険度順に紹介しています。
なるべくダニによる健康被害にあわないように原因を意識しながら注意していきましょう。
ダニによって、どんな症状があるのかダニの種類別にくわしくお伝えします。
【犬の症状・原因】生命をおびやかすダニ:マダニ
症状
✔ 貧血
✔ 栄養障害
✔ バベシア症:貧血を起こす(食欲の低下、発熱、黄疸[おうだん]などの症状)
(※黄疸とは:からだが黄色くなること)
✔ 感染症
1.ライム病:元気や食欲がなくなる。
2.重症熱性血小板減少症候群(SFTS):無症状なことが多い
3.Q熱(キューねつ):無症状なことが多い
4.エールリヒア症:発熱、体重減少、出血など
5.日本紅斑熱(にほんこうはんねつ):症状が解明されていない
原因
✔ マダニに咬(か)まれたときに、血を吸われる
✔ マダニが運んでくるウイルスに感染すると感染症を引き起こしてしまう
マダニは最悪の場合、犬の命にもかかわってしまう危険な虫。
マダニによる症状は、無症状な場合が多く気づきにくい場合があります。
日頃から犬の体をさわったりブラッシングしたりすることがマダニの早期発見には大切です。
犬と上手くコミュニケーションをとりながら、マダニから守っていきましょう。
私も愛犬との散歩中は草むらに入らないように注意したり、
帰ったらよく体をさわってマダニチェックしているわ!
【犬の症状・原因】感染力が強いダニ:ヒゼンダニ
症状
✔ 非常にかゆみが強い
✔ 毛が抜けて、赤みがある
✔ フケや黄色っぽいかさぶた
原因
✔ すでにヒゼンダニに感染している犬との接触
見分け方
✔ 常に体をかゆがっている
✔ 食欲不振、元気消失
犬にヒゼンダニというダニが感染して引き起こすとてもかゆい皮膚病です。
ヒゼンダニは感染力が強いので、犬から他の動物、人へも簡単に感染してしまいます。
多頭飼いやドッグランなど犬同士の接触が多いところでは感染しやすいので要注意です。
重症化した場合には体重が減ったり、発熱などの症状がでます。
犬が頻繁に体をかいていたり、舐めたりするなど気になる動作をしていたら早めに動物病院で診てもらいましょう。
激しいかゆみに爪で引っかいてしまうこともあるんですって。
出血や化膿してないか確認が必要ね。
【犬の症状・原因】外耳炎を引き起こすダニ:耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
症状
✔ 耳に強いかゆみ
✔ 耳が臭い
✔ 大量の黒い耳垢(みみあか)が落ちてくる
(※黒い耳垢とは:耳がかゆくて血が出るほど搔き壊すことがあります。血が乾いてできた耳垢が黒い耳垢の正体です)
原因
✔ 犬同士の接触など
(※散歩、ドッグランなど)
耳ダニは、耳の中の耳垢(みみあか)や分泌物が大好物。
耳ダニを防ぐためにも犬の耳掃除は定期的に行うことが大事ですね。
ですが、動物病院へいくときは耳掃除をしてはいけません。
なぜなら、耳垢検査ができなくなってしまうからです。動物病院へ行く際は注意してくださいね。
耳ダニに感染すると、耳元を掻いたり頭を振る特徴があるよ。
【犬の症状・原因】脱毛を引き起こすダニ:ニキビダニ
症状
・足や顔に強いかゆみ
・毛が抜けてしまう
原因
・毛穴の中に住んでいるニキビダニが過剰に増えるため
・免疫力の低下
・基礎疾患の影響(アトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、糖尿病)
(※甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなり代謝が落ちる病気[老犬に多い])
見分け方
・頭を振ったり痒がっている
・足先の毛が抜けている
ニキビダニは成犬になってから発症すると、皮膚病の症状が広がり重くなりやすいので注意が必要です。
毛が抜けた症状の状態のままにしておくと、細菌感染が悪化してしまい死に至ってしまうこともあります。
若い犬や老犬などの場合、免疫力が少なかったり免疫力の低下などでニキビダニに感染しやすくなるそうです。
犬にニキビダニの症状が見られたら悪化を未然に防ぐためにも最寄りの動物病院で診てもらいましょう。
免疫力による影響が大きそうだね。
犬につくダニ【ダニの種類別:対処法】
対処法 | マダニ | ヒゼンダニ | 耳ダニ (ミミヒゼンダニ) | ニキビダニ |
---|---|---|---|---|
注射 | 〇 | 〇 | ||
点耳薬 | 〇 | |||
内服薬 (※飲み薬) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
外用薬 (※体に垂らすお薬) | 〇 | 〇 | 〇 |
ダニのトラブルが犬に起きたとき、対処法はダニの種類によって違います。
そして、動物病院で犬の体質にあったお薬を処方してもらいましょう。
犬の症状によっては、お薬を与える期間が長期化する場合もあります。
では、それぞれのダニについて対処法をくわしく解説していきますね。
そういえば、マダニ駆除薬は犬を飼ってまもないころに
動物病院へ行ったとき勧められたわ。
【マダニの対処法】駆除
マダニが活発に活動する5月~11月頃は、マダニを駆除するための駆除薬がおすすめです。
駆除薬は2種類あるよ!
犬の体質に合った駆除薬を選ぶためには、動物病院を受診して先生に相談しましょう。
動物病院が閉まっているときは、ダニ専用のピンセットで取る方法もあります。
ダニ専用のピンセットを使う場合は、マダニの口器(こうき)を皮膚に残さないように取り除くことが必要です。(※口器とは:食べ物を食べるための器官)
マダニの頭部が残ったままだと、炎症、化膿(かのう)や感染症の原因にもなるので気を付けましょう。
マダニを見つけたらすぐ取りたくなるけど、取るときには注意が必要ね。
【ヒゼンダニの対処法】治療
ヒゼンダニの治療は1回では治らないこともあり、複数回の治療が必要です。
硫黄サリチル酸が配合されているシャンプーを使うことでかゆみの軽減やフケとりの効果があります。
犬の様子が元気がなく体が弱っているようなときは、シャンプーが負担になってしまう場合もあるので注意しましょう。
ヒゼンダニの治療は発症すると長引きそうで犬が可哀そうだね。
【耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の対処法】治療
耳ダニの治療方法は、犬の首付近に垂らすタイプの外用薬が主流になっています。
外用薬は1回もしくは2週間ごとに2~4回投与するのがおすすめ。
適切な治療を行えば完治可能な病気です。
犬が頭をよく振っていたり、耳がかゆそうな様子があれば早めに動物病院で診てもらいましょう。
犬のかゆそうなサインを見逃さないようにすることが大事ね。
【ニキビダニの対処法】治療
じつは、ニキビダニの治療薬は国内に存在しません。
フィラリア症の予防薬を高濃度で犬に投与することで治療しています。
そして間をおかず、何度も高濃度のフィラリア症の予防薬を犬に与えるそうです。
なぜならニキビダニの治療の場合、皮膚表面近くにダニが存在するため薬剤が届きにくいから。
ニキビダニの治療は毛穴の中のニキビダニの卵が完全に無くなるまで必要です。
犬の体全身にニキビダニが広がってしまうと、治療が難しくなるといわれています。
子犬の場合は症状が軽く治療への反応も良いそうよ!
成犬の場合は、ニキビダニの症状が重くなることが多いので気を付けたいですね。
犬につくダニ【ダニの種類別:予防策】
犬につくダニの予防策は、ダニの種類によっても違いがあります。
それぞれのダニの予防策についてポイントをまとめてみました。
予防をすることで、犬が健康で過ごせられるように見守っていきましょう。
【犬の予防策】マダニ
予防ポイント
・ブラッシング
・ダニ除けスプレー
・散歩時には服を着せる
・体を撫でるようにさわる
・投薬(内服薬または外用薬)
・シャンプー(月に1~2回くらい)
マダニから犬を守るための予防策として、まずは動物病院でマダニ駆除薬を処方してもらいましょう。
動物病院では2種類の駆除薬があり、犬の体質によってどちらが効果的か相談できます。
マダニが活発な春から秋にかけて月に1回お薬を与えることでマダニ駆除に高い効果が期待できるそうです。
うちの犬も月に1回チュアブルタイプで予防しているよ!
散歩に行くときは、犬に服を着せたりダニ除けスプレーをするなどマダニが付きづらい工夫を心掛けしましょう。
犬との散歩のあとは、ブラッシングや体全体をなでることでマダニが付いていることに気づきやすくなります。
犬の体をなでてダニチェックするときは、直接手で触れないように薄手の手袋などするといいかもね。
【犬の予防策】ヒゼンダニ
予防ポイント
・飼育環境の掃除
・定期的なシャンプー
・定期的なダニの予防薬の使用がおすすめ
ヒゼンダニは感染力が強いので、感染している犬と接触した場合にはうつる可能性がとても高くなります。
家では犬のよくいる場所の掃除や犬へのシャンプーを定期的に行うことが予防につながるのでおすすめです。
複数の動物を飼っていたり散歩に行く回数が多かったりする場合は、予防薬を事前に与えておくと安心できますね。
【犬の予防策】耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
予防ポイント
・飼育環境の清掃
・食事管理・運動
・犬の耳の中を清潔に保つ
・定期的なダニの予防薬の使用がおすすめ
耳ダニの予防策は、犬の耳を清潔にしてあげることです。
とくに、垂れ耳の犬種の場合はシャンプー後の耳は中までしっかりとふいて水分が残らないようにしましょう。
耳の中を清潔にすることは大事ですが耳掃除のやりすぎは禁物です。
なぜなら犬の耳の中には殺菌作用の保護膜があります。
そのため耳の掃除をやりすぎてしまうと、保護膜を傷つけてしまう場合があるからです。
犬の食事管理、散歩や積極的な運動は免疫力を高めてくれるので意識することで予防につながりますよ。
耳掃除のやり過ぎは良くないのね。。
【犬の予防策】ニキビダニ
予防ポイント
・食事管理
・飼育環境を清潔にする
・感染してる犬との接触を避ける
ニキビダニは犬の皮膚に住み着いているダニです。
犬の免疫力が低下すると、ニキビダニが過剰に増えてしまい毛穴で増えたニキビダニを追い出そうとして皮膚に症状が出ます。
ストレスや栄養不足はニキビダニによる皮膚の症状の治りを遅らせてしまいます。
犬に適切な運動量を与えてストレスを発散させたり、栄養バランスの良い食事を与えることが大切です。
犬の免疫力が低下しないように心がけることが予防のポイントになります。
バランスの良い食事と運動量が大切ね!
犬のおすすめな運動量の目安
✔ 小型犬:1日 30分~60分程度
✔ 中型犬:1日 30分~90分程度
✔ 大型犬:1日 60分~120分程度
まとめ
〇犬に付くダニは4種類
・マダニ
・ヒゼンダニ
・耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
・ニキビダニ
〇犬の症状と原因
・かゆみの症状が全てのダニに共通している(※マダニの場合は無症状の場合もある)
・かゆみ以外の違う症状からはどのダニなのか判断するときの目安にしやすい
・原因はダニによって違いがあるので犬に対して注意を促しやすい
〇犬への対処法
・内服薬または外用薬での対処が主流
・犬の体質にあったお薬を病院で処方してもらうのがおすすめ
〇犬への予防策
・日ごろから犬を観察したり犬の体をさわるなどのコミュニケーションが大事
・栄養管理や適度な運動で免疫力をつける
・飼育環境を清掃してきれいに保つ
犬を完全にダニから防ぐのは正直難しいですよね。
犬がやたらとかゆがるような様子があれば、まずは最寄りの動物病院に早めに診てもらいましょう。
日頃の犬とのコミュニケーションがいち早く異変に気付く第一歩です。
犬の異変に気づいたら重症化しないように犬の健康を守っていきましょう。
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